O HAI THIS BLOG PURPZIEZ 2 B UZED AZ MAH PLESIOUS MEM. :)

2010/12/15

epatch_user; # FTW

これはGentoo Advent Calendarの5日目の記事です. :D

  ボブ「やぁ,ジョニー,聞いてくれよ.」
ジョニー「なんだい,ボブ.」
  ボブ「もうすぐクリスマスだよ!」
ジョニー「オタクのボクらにはあんまりカンケーないケドね.」
  ボブ「んにゃ,技術系Advent Calendarってのがあるよ.」
ジョニー「Gentooもあるのかい?」
  ボブ「12/25まで人数が全然足りないケド,どうすんだろうね?!」
ジョニー「そいつぁ言わないお約束さ!」

  ボブ「で,なんかイイネタは無いかな?」
ジョニー「ん〜,epatch_userとかどう?」
  ボブ「なんだい,それは?」
ジョニー「epatchは知ってるよね?」
  ボブ「ebuildで使われるパッチを扱う関数だね,eutils.eclassの一部だよ!」
ジョニー「うん.これでボクらはパッケージをインストールする直前にソースコードを変更出来るって寸法さ.」
  ボブ「ソースベースディストロの強みだね!」
ジョニー「まぁ,その後に怒濤のコンパイルが走るけどね.」

  ボブ「で,具体的にeptach_userについて説明してくれる?」
ジョニー「Gentooでフツーのパッケージの場合,パッチってどこにあるか知ってるよね?」
  ボブ「${FILESDIR}以下だね.サイズが大きかったり,数が多い場合には${DISTDIR}以下にダウンロードされてるよ!」
ジョニー「epatch_userもパッチを扱う関数なんだけど,基本的には/etc/portage/patches/以下に保存してあるオレオレパッチが対象になるんだ.」
  ボブ「へぇ,でもオレオレoverlayにforkしてepatchを書き足せば同じだよね?」
ジョニー「それでも幾つか利点はあるよ.」
  • パッチの追加/削除/更新にManifestを更新する必要が無い.
  • 元々,幾つかのeclassやebuildはepatch_userを呼んでいる.
  • ${PORTAGE_CONFIGROOT}, ${CATEGORY}/{${PF},${P},${PN}}, ${CHOST}による階層的管理
  ボブ「確かにオレオレパッチだけでManifest更新はダルいね.devが元のebuildを変更したら追従する必要もあるし.」
ジョニー「だね.それから,toolchain.eclassやwww-client/firefoxがepatch_userを呼んでいるのは知ってたかい?
     他にもepatch_userを呼んでいるモノは沢山あるよ.」
  ボブ「じゃあ,その手のパッケージのパッチは/etc/portage/patches/以下にガンガン突っ込んでもOKって訳ね.」
ジョニー「うん.最後の階層管理に関しては想像がつく?」
  ボブ「つまり,こう言う事かい?」
/etc/portage/patches/
 |
 +- sys-devel/gcc-4.4.4-r2/omg_optimized.patch
 |
 +- sys-devel/gcc-4.4.4/need_more_speed.patch
 |
 +- sys-devel/gcc/of_course_no_brake.patch
ジョニー「そうそう.で,このパッチって何?」
  ボブ「それは秘密さ! ${PORTAGE_CONFIGROOT}ってなんだい?」
ジョニー「/etc/portage/patches/を切り替えられる様にするprefixだね.あと${CHOST}がpostfixについてもOKだよ.」
  ボブ「なるほど,こう言う感じ?」
/usr/local/portage/config/
 |
 +- etc/portage/patches/
    |
    +- sparc-unknown-linux-gnu/
       |
       +- sys-devel/gcc-4.4.4-r2/rip_sun.patch
       |
       +- sys-devel/gcc-4.4.4/beat_oracle.patch
       |
       +- sys-devel/gcc/fork_all.patch
ジョニー「そうそう.で,このパッチって何?」
  ボブ「それは秘密さ!」

  ボブ「でさ,実際のトコロさ.epatch_userって推奨されてんの?」
ジョニー「公式の見解はキチンと調べてないけど,SpanKYがbugzieで言及してたので禁断の技でもないと思うよ.」
  ボブ「じゃ,なんでepatch_userってドキュメントに載ってないのさ?」
ジョニー「bugzieには挙ってるよ.
     a "hack" in an eclassだとか言ってるケド,単にメンドイからやってないだけじゃないかな.」
  ボブ「お,いい感じのオチがついたね!」
ジョニー「HAPPY HACKING w/ Gentoo!!1」

2010/11/10

learning++;

ブツが一段落したので,蝶遅めの夏休みを週末まで取る事にした.ついでに,蝶久しぶりに読書感想文を書いておく.

一番最近読み終わった本は,ちくま新書の現代語訳 学問のすすめ.モノホンはここにあるけど達筆過ぎる.青空文庫のヤツは予め読んでおいた.以下,カッコいいトコロ.
日本とても西洋諸国とても同じ天地の間にありて、同じ日輪に照らされ、同じ月を眺め、海をともにし、空気をともにし、情合い相同じき人民なれば、ここに余るものは彼に渡し、彼に余るものは我に取り、互いに相教え互いに相学び、恥ずることもなく誇ることもなく、互いに便利を達し互いにその幸いを祈り、天理人道に従いて互いの交わりを結び、理のためにはアフリカの黒奴にも恐れ入り、道のためにはイギリス・アメリカの軍艦をも恐れず、国の恥辱とありては日本国中の人民一人も残らず命を棄てて国の威光を落とさざるこそ、一国の自由独立と申すべきなり。
[日本といっても,西洋諸国といっても,同じ天地の間にあり,同じ太陽に照らされ,同じ月を眺めて,海を共にし,空気を共にし,人情が同じように通い合う人間同士である.こちらで余っているのものは向こうに渡し,向こうで余っているものはこちらにもらう.お互いに教え学びあい,恥じることもいばることもない.お互いが便利でいいようにし,お互いの幸福を祈る.「天理人道(天が定めた自由平等の原理)」に従って交わり,合理性があるならアフリカの黒人奴隷の意見もきちんと聞き,道理のためにはイギリスやアメリカの軍艦を恐れることもない.国がはずかしめられるときには,日本中のみなが命を投げ出しても国の威厳を保とうとする.これが一国の独立ということなのだ.]
しかるに無学文盲、理非の理の字も知らず、身に覚えたる芸は飲食と寝ると起きるとのみ、その無学のくせに欲は深く、目の前に人を欺きて巧みに政府の法を遁れ、国法の何ものたるを知らず、己が職分の何ものたるを知らず、子をばよく生めどもその子を教うるの道を知らず、いわゆる恥も法も知らざる馬鹿者にて、その子孫繁盛すれば一国の益はなさずして、かえって害をなす者なきにあらず。かかる馬鹿者を取り扱うにはとても道理をもってすべからず、不本意ながら力をもって威し、一時の大害を鎮むるよりほかに方便あることなし。これすなわち世に暴政府のある所以なり。
[学問がなく,物の道理も知らず,食って寝るしか芸がない人間がいる.無学のくせに欲は深くて,ぬけぬけと人をだまして,法律逃れをする人間がいる.国の法律がどのようなものかということも知らず,自分の仕事の責任というものも果たさず,子どもは生むけれども,その子どもをきちんと教育するというやり方も知らない.いわゆる,恥も法も知らないバカ者である.その子孫が繁栄したとすれば,この国の利益にはならず,かえって害をなすものとなろう.このようなバカ者は,とても道理をもっては扱えない,不本意ではあるけれども,力でおどし,一時の大きな害をふせぐほかにやり方がないということになってしまう.これが世の中に暴力的な政府がある理由である.]
今試みに英国に行き、「ブリテンの独立保つべきや否や」と言いてこれを問わば、人みな笑いて答うる者なかるべし。その答うる者なきはなんぞや、これを疑わざればなり。しからばすなわちわが国文明の有様、今日をもって昨日に比すればあるいは進歩せしに似たることあるも、その結局に至りてはいまだ一点の疑いあるを免れず。いやしくもこの国に生まれて日本人の名ある者は、これに寒心せざるを得んや。
[いま,試しにイギリスに行って「イギリスは独立を保っていけますか」と聞いてみたところで,人々は笑って答えないだろう.なぜか.誰もそのことを疑ってなどいないからだ.とすると,わが日本の文明のようすは,今日の状態を昨日に比べれば,まあ進歩したと言えるかもしれないが,結局のところ,まだ疑いが完全になくなったわけではない.日本に生まれて日本人の名を持つものなら誰でも,この状況を心配しないではいられないだろう.]
商売勤めざるべからず、法律議せざるべからず、工業起こさざるべからず、農業勧めざるべからず、著書・訳術・新聞の出版、およそ文明の事件はことごとく取りてわが私有となし、国民の先をなして政府と相助け、官の力と私の力と互いに平均して一国全体の力を増し、かの薄弱なる独立を移して動かすべからざるの基礎に置き、外国と鋒を争いて毫も譲ることなく、今より数十の新年を経て、顧みて今月今日の有様を回想し、今日の独立を悦ばずしてかえってこれを愍笑するの勢いに至るは、豈一大快事ならずや。学者よろしくその方向を定めて期するところあるべきなり。
[商売にはつとめなくてはならない.法律は論じなければならない.工業は興さなければならない.農業は勧めなければならない.著述,翻訳,新聞の発行,およそ,文明の事業は,ことごとくわが手に収めて,国民の先を行き,政府と助け合い,官の力と民間の力のバランスをとり,一国全体の力を増す.この力の薄弱なる独立を,不動の基礎を持った独立へと移し変え,外国と争っても少しも譲ることはない.そうして今より数十年後の新年を迎えて現在の様子を振り返ってみたとき,今日の独立のようすを評価して喜ばず,むしろその程度の低さに哀れむようであれば,これはなんと愉快なことではないか.学者は,その方針をしっかり定めて,覚悟を決めて臨まねばならない.]
今の学者はこの人物より文明の遺物を受けて、まさしく進歩の先鋒に立ちたるものなれば、その進むところに極度あるべからず。今より数十の星霜を経て後の文明の世に至れば、また後人をしてわが輩の徳沢を仰ぐこと、今わが輩が古人を崇むがごとくならしめざるべからず。概してこれを言えば、わが輩の職務は今日この世に居り、わが輩の生々したる痕跡を遺して遠くこれを後世子孫に伝うるの一事にあり。その任また重しと言うべし。
[いまの学生は,これらの人物より文明の遺産を受けて,まさしく進歩の最前線にいるのだから,その進むところに限界を作ってはいけない.いまより数十年後,後の文明の世では,いまわれわれが古人を尊敬するように,そのときの人たちがわれわれの恩恵に感謝するようになっていなければならない.要するに,われわれの仕事というのは,今日この世の中にいて,われわれの生きた証を残して,これを長く後世の子孫に伝えることにある.これは重大な任務である.]

それから,翻訳モノはどうしても著者の威光があるもんだし,そこがイイトコでもあるんだけど,本来別人である訳者の前説や後書きは特に批判的読まないと変な刷り込みをされるので気をつけよう.何が言いたいかと言うと,著者の福澤諭吉を戦争反対の論客として想定したり,彼の自由平等の啓蒙から日本国憲法の護憲論を匂わせたりするのは,巻末の解説としてはちょっとやり過ぎだと思うよ,訳者の斎藤孝さん. :P

2010/06/22

MeasureSLOC(&LMS); /* 2010/{05,06} */

5, 6月分のdiffstat.
bench/BENCH_CALCULATE_SNR_SINR.vhd |   10 
 bench/BENCH_DIVSR_RR.vhd           |    6 
 bench/BENCH_LMS.vhd                |  196 ++++++---
 bench/BENCH_LMS_LX.vhd             |   37 +
 bench/BENCH_S1IC.vhd               |   95 +++-
 bench/BENCH_S1WCAL.vhd             |   29 +
 bench/BENCH_S1p2SIC.vhd            |  133 +++---
 bench/BENCH_S2WFMA.vhd             |   72 ++-
 bench/BENCH_S4LLR.vhd              |  160 +++++--
 bench/BENCH_S5LDPCD.vhd            |    3 
 bench/BENCH_S6PP.vhd               |    7 
 bench/BENCH_S7RIE.vhd              |    3 
 bench/BENCH_S7SRG.vhd              |    4 
 vhdl/AANORM.vhd                    |    6 
 vhdl/ABS2SR_C.vhd                  |   23 +
 vhdl/ADDSR_CC.vhd                  |   14 
 vhdl/ADDSR_RR.vhd                  |   25 +
 vhdl/ADDSR_UU.vhd                  |   37 +
 vhdl/BS4LLR.vhd                    |  161 ++-----
 vhdl/CALCULATE_SINR.vhd            |  106 +++--
 vhdl/CALCULATE_SNR.vhd             |  249 ++++++++++-
 vhdl/COMMON_TYPE_PKG.vhd           |   28 +
 vhdl/DIVSR_CR.vhd                  |   10 
 vhdl/DIVSR_RR.vhd                  |   23 +
 vhdl/ESTIMATE_NOISE.vhd            |    4 
 vhdl/GTSAT.vhd                     |  172 ++++++++
 vhdl/IMPORT_LX1_F1J6.vhd           |    4 
 vhdl/IMPORT_LX1_F2J4.vhd           |    4 
 vhdl/IMPORT_LX2_F3J1.vhd           |    4 
 vhdl/IWSRFA.vhd                    |   48 +-
 vhdl/LEDIND.vhd                    |  182 ++++++++
 vhdl/LE_BUS.vhd                    |  166 +++++++
 vhdl/LLR2PP.vhd                    |  273 ++++++-------
 vhdl/LMS_FORMER.vhd                |  400 ++++++++++++-------
 vhdl/LMS_LATTER.vhd                |  206 +++++++--
 vhdl/LMS_LX1_FPGA1.vhd             |  425 +++++++++++++-------
 vhdl/LMS_LX1_FPGA2.vhd             |  381 ++++++++++++------
 vhdl/LMS_LX1_FPGA3.vhd             |  244 +++++++++--
 vhdl/LMS_LX1_FPGA4.vhd             |  274 ++++++++++---
 vhdl/LMS_LX2_FPGA1.vhd             |  220 ++++++++--
 vhdl/LMS_LX2_FPGA2.vhd             |  340 +++++++++++++---
 vhdl/LMS_LX2_FPGA3.vhd             |  321 ++++++++++-----
 vhdl/LMS_LX2_FPGA4.vhd             |  339 +++++++++++-----
 vhdl/LMS_LX3_FPGA2.vhd             |  132 +++++-
 vhdl/LMS_LX_FEBE.vhd               |  768 ++++++++++++++++++++++++++++++++-----
 vhdl/MULSR_CC.vhd                  |   63 ++-
 vhdl/MULSR_CR.vhd                  |   12 
 vhdl/MULSR_RR.vhd                  |   42 +-
 vhdl/MULSR_UU.vhd                  |   25 +
 vhdl/NbySNR.vhd                    |   39 +
 vhdl/PP2RIE.vhd                    |    5 
 vhdl/PP2SRG.vhd                    |   25 -
 vhdl/S0SNR.vhd                     |   41 +
 vhdl/S1IC.vhd                      |   56 +-
 vhdl/S1WCAL.vhd                    |   59 ++
 vhdl/S1WCCM.vhd                    |   22 +
 vhdl/S1WCFA.vhd                    |  104 +++--
 vhdl/S1WCFB.vhd                    |  138 ++++--
 vhdl/S1WDET.vhd                    |   16 
 vhdl/S1WINV.vhd                    |   12 
 vhdl/S1p2SIC.vhd                   |  198 ++++++---
 vhdl/S2WFMA.vhd                    |  100 ++--
 vhdl/S3SINR.vhd                    |    6 
 vhdl/S4LLR.vhd                     |   28 -
 vhdl/S5LDPCD.vhd                   |   39 +
 vhdl/S6PP.vhd                      |    6 
 vhdl/S7RIE.vhd                     |   18 
 vhdl/S7SRG.vhd                     |   10 
 vhdl/SRG2IC.vhd                    |  144 ++++--
 vhdl/WCCM.vhd                      |   16 
 vhdl/WFMA.vhd                      |  256 ++++++------
 vhdl/WS4LLR.vhd                    |   36 +
 72 files changed, 5884 insertions(+), 1976 deletions(-)
ようやくこの子も嫁に行った. :D
おもろかったのは,固定小数点演算とレイテンシー継承が十分堪能出来た事.
つまんなかったのは,毎度の事だがISEのbugを踏んだ事だな.
ほんともうまじいいかげんにしろよだぼがあーむこあだのゔぁーてっくすななだのうりこむよゆうがあんならげんこうのでばいすをまともにつかえるようなそふとのひんしつぐらいかくほしとけよかすめそれまでおれはてめーをぜってーゆるさねーからなくずが(りゃく

2010/05/18

me += 2*GWL;

ライプニッツのモナドロジーと形而上学叙説を読んだ.バロックのアレなので,やっぱり所々神学の香りがするので万人におすすめとは言えんのが難しい.コイツも中公クラシックスのヤツなのだけれど,訳注や前説がなかなか良さ気でたいへんよろしい.

例によって,カッコイイ所をメモしておく.
「普遍数学」への魅惑
〔中略〕しかし,その無数の著作のどこにも絶望や断念の気分が感じられなかった.その力強いオプティミズムと理想主義は大いなる鼓舞であった.そうして,この東西古今に絶する広大な学識と無尽蔵の創見を蔵した哲学者が「主著」を成さず,最後の総括,あるいは「遺書」ともいうべき『モナドロジー』が二,三十枚の小篇であったことにも,彗星が無限の虚空の闇の中へ尾をひいて消えてゆくような感銘があった.これを書いたとき,われわれの哲学者(ライプニッツ)は,四十年間奉仕した宮廷からは見捨てられ,まったき不遇と孤独のうちにあったが,——
「善い人々とは,この偉大な国にあって,不平や不満をいだかない人である.自分の義務を果たしたうえは,神の摂理に信頼している人である.あらゆる善の創造者を,こよなく愛し,かつ模倣している人である.愛する者の幸福に喜びを感じる,あの真に純粋な愛の本性にしたがって,神のもつさまざまな完全性をうち眺め,心を楽しませている人である」
という言葉でその遺書を結んでいる.いささかの憂欝も翳りもない明朗なオプティミズムは,堂々たる哲人の風貌というほかなかった.

アカデミー建設計画
〔中略〕結局,ライプニッツの生涯をかけた雄大な諸計画は,ほとんどすべて完遂されずに終わった.しかし,それがすべて空想的な現実性のない計画であったからでなく,もっぱら時運による.あるいはあまりにも時代に先んじていたこと,あるいは一個人にあまる巨大さによる.しかし,彼のかくも巨大な文化的理念と,さらに何よりも不断ののかくも強靭な努力は,まこと天才的,英雄的というほかない.後世はライプニッツの理念と努力の成熟するのを目賭した.ライプニッツ自身は将来を確信して,自己の挫折に耐えた.彼は言う,「われわれは後世のために働かねばならぬことを告白する.人はしばしば自分の住まないであろう家を建てる,人はその果実をたのしむべくもない木を植える」.

孤独な晩年
ライプニッツの最後の歳月はまったく孤独であった.最後まで温かい理解者であり,保護者であり,友人でもあったゾフィ選挙候夫人もライプニッツに先だって死し(一七一四年),宮廷では顧みられず,もっとも偉大な学問上の競争者(ニュートン)との対立も激しさを増し,晩年をいっそう暗いものにした.ゾフィ・シャルロッテの早逝によって,ベルリンの宮廷ともつとに疎遠になっていた.生涯独身で終わり,友人もなく,まったく孤独であった.晩年は通風に病み,一七一六年十月十四日,まったき孤独のうちに世を去った.享年七十歳.
葬送には,四十年間尽瘁した宮廷から一人の参列者もなかった.僧侶や大衆は,ほとんど礼拝におもむかず,臨終にも最後の聖餐をしりぞけたライプニッツを無信仰者と見なした.プロイセン科学アカデミーもその創立者の死に対して沈黙していた.かえってパリのアカデミーでは,フォントネルが有名な頒辞を述べた––「世界に光を,ドイツに栄光をもたらした精霊」として.遺骸はノイシュタット宮廷教会に葬られた.これすら長く確実には伝えられずにいたが,二十世紀の十年代にはじめて発見された資料(彼の最後の助手フォーグラーの手記)によって明らかになった.
オレはよく思うのだが,不遇を訴えるのが当の当事者だとその訴えをどうも微妙に感じる.それは,多分,頭のどこかにこの手の楽観主義的な思考があるのだと思う.最近の暗いニュース的なモノは,この手のモノが多過ぎる.仕分け云々で予算を削られて騒ぎ出す人は研究者ばかりで,派遣切りとやらで更なる社会保障を訴える人は大抵そう言うカンジの元労働者だったり.当事者自身が現状を一番理解していて肌身で感じていると言うのは理解出来るけれど,もう一層上の印象としての不信感がオレにはある.

キケロが『宿命について』で言った怠け者の理屈と言うのがある.
病気からの回復が宿命なら,医者にかからなくても治る.回復しない事が宿命なら,医者にかかっても治らない.だからおまえは医者にかかる必要がない.
あなたの試みが成功する事が宿命ならば,あなたが何の努力もしなくてもあなたの試みは成功する.あなたの試みが失敗する事が宿命ならば,あなたがどんなに努力してもあなたの試みは失敗する.つまり,あなたが努力する必要は何処にも無く,あなたの努力は只の徒労である.この手の人たちがこう言う考えを持っているとは言わないけれど,自らの不遇を積極的に訴える輩は概ねして自らの努力を軽んじている様にオレには見えてしまう.確かに「じゃあ,どうすりゃええねん?」と言う鬼気迫った問いに「手前ぇ自身で何とかしろ」と突き放すのも微妙だが,本人自身がもう少し楽観的に構えて努力する方がカッコイイし,そっちの方がオレは助けてやりたくなる.自分の研究に予算が付くハズだと少しでも思えないのなら,その研究とやらはホンモノなんだろうか?働きたい意志を見込んで雇ってくれる人が居るハズだと少しでも思えないなら,その働きたい意志とやらはホンモノなんだろうか?

まぁ,あんまり長々と書くと根性論めいてくるし,オレ自身がそーゆー人たちに比べると多分恵まれている方なので,現状が分かっていない門外漢の戯れ言かもしれんが.

2010/05/09

MeasureSLOC(&LMS); /* 2010/04 */

4月分のdiffstat.
bench/BENCH_LMS.vhd         | 1300 ++++++++++++++++++++++++++++-----
bench/BENCH_LMS_LX.vhd      | 1696 ++++++++++++++++++++++++++++++++++----------
bench/BENCH_LVDS.vhd        |  379 +++++++++
bench/BENCH_S1p2SIC.vhd     |   17 
bench/BENCH_S4LLR.vhd       |    9 
bench/BENCH_S5LDPCD.vhd     |   11 
bench/BENCH_S7RIE.vhd       |    3 
bench/BENCH_S7SRG.vhd       |   10 
bench/METABENCH_LMS.vhd     |   10 
bench/METABENCH_LMS_LX.vhd  |   78 --
bench/METABENCH_S1p2SIC.vhd |   36 
vhdl/BS4LLR.vhd             |  239 ++++++
vhdl/CALCULATE_SNR.vhd      |  146 +++
vhdl/CLTUNE.vhd             |   24 
vhdl/EXCHANGE_LX1_F4J2.vhd  |   33 
vhdl/EXCHANGE_LX2_F4J1.vhd  |   33 
vhdl/IEXPORT_LX4.vhd        |  470 ++++++++++++
vhdl/IIMPORT_LX1.vhd        |  504 +++++++++++++
vhdl/IMPORT_LVDS.vhd        |    9 
vhdl/IMPORT_LX1_F1J6.vhd    |   99 ++
vhdl/IMPORT_LX1_F2J4.vhd    |   99 ++
vhdl/IWSRFA.vhd             |   16 
vhdl/LMS_FORMER.vhd         |  297 +++++++
vhdl/LMS_LATTER.vhd         |  107 ++
vhdl/LMS_LX1_FPGA1.vhd      |  624 +++++++++++-----
vhdl/LMS_LX1_FPGA2.vhd      |  385 ++++++---
vhdl/LMS_LX1_FPGA3.vhd      |   70 +
vhdl/LMS_LX1_FPGA4.vhd      |  150 +++
vhdl/LMS_LX2_FPGA1.vhd      |   65 +
vhdl/LMS_LX2_FPGA2.vhd      |   87 ++
vhdl/LMS_LX2_FPGA3.vhd      |   71 +
vhdl/LMS_LX2_FPGA4.vhd      |   88 ++
vhdl/LMS_LX3_FPGA2.vhd      |   38 
vhdl/LMS_LX_FEBE.vhd        |  169 +++-
vhdl/OBSERVE_VT.vhd         |  153 +++
vhdl/PP2SRG.vhd             |   49 +
vhdl/REFXE.vhd              |  114 +-
vhdl/S0SNR.vhd              |   11 
vhdl/S1p2SIC.vhd            |   42 -
vhdl/S3SINR.vhd             |    9 
vhdl/S4LLR.vhd              |  708 ++++++++++++++++++
vhdl/S5LDPCD.vhd            |  952 ++++++++++++++++++++++++
vhdl/S7RIE.vhd              |   22 
vhdl/S7SRG.vhd              |   30 
vhdl/SCB.vhd                |    4 
vhdl/WS4LLR.vhd             |  158 ++++
46 files changed, 8440 insertions(+), 1184 deletions(-)
注目は,S4LLRとS5LDPCだな.ISE 11.5のbugでシミュレーション通りにブツが動かない問題を回避する為*だけ*に2kLOC近くうんこコードを追加した.Xilinxは腹を斬って死ぬべきである.Xilinxはただ死んで終わるものではない.Xilinxは地獄の火の中に投げ込まねばならぬ.マジ,ARMコアぶっ込んだだの寝言抜かす前に,手前ぇのうんこソフトウェアをまともに使えるレベルにしろよ,このアンポンタン. :DDD

2010/05/07

me += 2*RD;

GW中,食っちゃ寝しながら中公クラシックスのデカルト関連の本を二冊.モノにもよるけど,件のシリーズは一冊に訳者の前説と訳が二三個まとめて入っていてお得なモノがあってなかなか良い.本体は,方法序説,哲学の原理,世界論,省察,情念論.

で,中身は各所でなかなかカトリックな香りがする.宗教アレルギー体質な人にはあんまおすすめできんね,残念ながら.大約すんのもタルいので,ネタだけ.
方法序説 第六部
今から三年前,これらすべてを述べた論文を書きあげて,出版者の手に渡すために見直しをはじめていたときであったが,私がうやうやしく従い,私自身の理性が私の思想に対してもつ権威に劣らぬ権威を私の行動に対してもつ人々(ローマ法王庁の人々)が,少し前にある人(ガリレイ)によって発表された自然学上の一意見を非としたことを知った.ところで,私自身その意見をとっているとはいうつもりはないが,こうはいっておきたい,彼らの検閲の前には,その意見中に,宗教にも国家にも有害であると私に思えるような点は認められなかった,したがってかりに理性がその意見を私にとらせたとするなら,私にそれの発表を思いとどまらせたであろうような点は何一つ認められなかった,と.そして私は今まで,きわめて確実な論証なしにはいかなる新たな意見をも私の信念のうちにとり入れまい,だれかの不利になりそうな意見については何も書くまい,とたいへん注意をはらってきたものの,うえのようなことがあってみると,私の意見の中には誤っているものもやはりあるかもしれぬとおそれた,と.さてこのことは,私をして,私の意見を発表しようとする決心を変えしめるに十分であった.というのは,私が前にその決心をした理由はたいへん有力なものではあったが,本を作る職業をいつも嫌っていた私のもちまえの傾向は,その決心を捨てる口実となるような他の理由の数々を,私にただちに見つけさせたからである.そういうあれやこれやの理由を私はここで述べてみたい気がするが,私ばかりでなく世間の人々もまた,それを知りたいと思われるかもしれない.
〔中略〕
こうした考えがすべていっしょになって私を動かした結果,三年前には,私の手元にあった論文を世に示すまいと思い,さらに,生きている間は,この様に全般的な,また私の自然学の基礎を人々にわからせるような,いかなる他の論文も,けっして発表すまいと決心した.しかしその後また二つの別の理由が現われ,ここに若干の特殊な試論(屈折光学,気象学,幾何学の三試論)を書き,私の行動と計画についていくらかの説明(方法序説)を公にせねばならなくなった.

世界論 目次
第一章 我々の諸感覚とその諸感覚を生みだす事物との差異について
第二章 火の熱と光はなんであるか
第三章 堅さおよび流動性について
第四章 空虚について.また,われわれの感覚がある物体を知覚しないのはどうしてか
第五章 元素の数とその性質について
第六章 新しい世界の記述.その世界を構成する物質の諸性質について
第七章 この新しい世界の自然法則について
第八章 この新しい世界の太陽と星の形成
第九章 遊星と彗星の起源とコースの一般論.特に彗星について
第十章 遊星一般について.特に地球と月について
第十一章 重さについて
第十二章 海の干潮と満潮について
第十三章 光について
第十四章 光の諸性質について
第十五章 新しい世界の天空の様相は,そこの住人にとっては,われわれの世界の天空の様相と同じように見えるはずであること

件のガリレイの件は,カトリックをdisるネタによくされるみたいだけど,多分,その辺りの事をまともに把握している人ってあんまり多くないと思うんよね.ポパーせんせーはその辺りちゃんと把握している様ですごいと思うよ,毎度の事だけど.
推測と反駁
推測
第三章 知識に関する三つの見解
第一節 ガリレイの科学とそれに対する新しい裏切り

昔,ガリレオ・ガリレイという名の有名な科学者がいた.かれは,「検邪聖省」で裁かれ,自説を取り消すように強制された.このことは大変な騒ぎをひき起し,二五〇年以上もの間––世論が勝利をかち取り,教会が科学に寛容になった後にも,長らく––義憤や興奮をひき起し続けた.
しかし,今ではこれは極めて古い話になり,人々の関心を失ってしまったのではないかと思われる.というのは,ガリレイの科学にとって,敵は残っていないし,その生命は将来も安全に思われるからである.ずっと前にかち取った勝利が最終的なものだったのであり,その前線では全てが平穏である.したがって,現在のわれわれはその事件に対して,とらわれない見解をもっており,結局それを歴史上の出来事として考え,紛争の当事者たちの双方を理解するようになっている.だから,昔の怨恨を忘れることができないひとの,うんざりする話には誰も耳を傾けようとはしない.
しかし,結局のところ,この昔の事件は何に関するものだったのだろうか.それはコペルニクスの「世界体系」の身分に関するものであった.この「体系」によると,とくに,太陽の日周運動は単に見かけ上のものとされ,地球の回転によって生じるものとして説明されていた.教会は,この新しい体系が古い体系よりも単純であり,天文学上の計算や予測にとって便利な道具であることを,すすんで認めようとした.しかも,法王グレゴリウスの暦法改革には,この新体系が実際に十分利用されていたのである.したがって,ガリレイが次のこと明瞭に述べるかぎり,かれがその数学的な理論を教えることには,何の反対もなかったのである.かれが述べなければならなかったことというのは,その理論の価値が道具としての価値にすぎないこと,つまり,枢機卿ベラルミノが言ったように,その理論が「仮定」に他ならないこと,あるいは,「数学的な仮説」––「計算を簡略化し容易にするために発明され.仮定される」一種の数学的な手段––に他ならないこと,であった.言いかえると,アンドレアス・オシアンデルはコペルニクスの『天体の回転について』への序文で,「これらの仮説が真理である必要はないし,また,真理らしいものである必要もまったくない.むしろ,これらの仮説にとっては一つの事––観察と一致する計算が導きだせるということ––で十分なのである」と述べたが,このオシアンデルに賛同する気がガリレイにあるかぎり,かれがその理論を教えることには何の反対もなかったのである.
もちろん,ガリレイ自身には,コペルニクスの体系が計算の道具としてすぐれていることを強調する気持は十分にあった.しかし同時に.かれが推測し信じてもいたことは,その理論が世界の真なる記述であるということ,であった.そしてこのことが,かれにとって(同じく教会にとっても)事柄の最も重要な側面なのであった.実際,かれには,その理論の真理性を信じるのに十分な理由がいくつかあったのである.かれは,望遠鏡をのぞき,木星とその衛星がコペルニクスの太陽系(そこでは惑星が太陽の衛星になる)の小型のモデルを形づくっていることを,すでに見ていた.さらに,コペルニクスが正しければ,内惑星は(そして内惑星のみが),地球から観察すると,月のような満ち欠けを示すはずであったし,ガリレイは望遠鏡で金星の満ち欠けをすでに見ていたのである.
教会には,「世界の新体系」の真理性について考察してみるという気持がなかった.この「新体系」は,旧約聖書の一説と矛盾するように思われたのである.しかし,このことが教会の主たる理由だったとはいえない.より深い理由は,約一〇〇年のちに,バークリー僧正がニュートン批判のなかで明瞭に述べている.

いわゆる素朴実在論と道具主義的見解,それに続く反証可能性に基づく科学哲学の話なのだけれど,フツーの人は知らんだろ,こんなん.あんま知ったかして信仰心熱烈な人をdisると彼らの永劫の地獄の業火から人びとを救おうとする正真正銘の親切心で生きながら火あぶりされるかもしれないので十分気をつけましょう.

ブラックジョークはさておいても,昨今のエロ本規制とかちょっと似た様な面があるのかなぁ,と思うのであった. :D

修正:若干のtypo.

2010/04/09

me += (PU(1.1, 1.133) + PU(1.243, 1.272));

論考を読む目的で買ったブツの後半に哲学探究の一部がおまけであったので,最近,Xilinx ISE 11.5 on RHELの_pnのUI freezeの面倒を見つつソイツを読むと言うエア激務をしていた.以下,おもろかった部分を引用.
三七
〔中略〕わたくしが「ブウブウブウ」というコトバによって「雨が降らなければ散歩に出かける」ということを意味することができるだろうか.––一つの言語のうちにあってのみ,わたくしは何かを何かによって意味しうる.このことは明らかに,「意味する」という語の文法が「思いうかべる」等の表現の文法とは似ていないこと示している.

五二
もしわたくしが,ねずみというものは灰色のぼろや塵埃から自然発生するのだと仮定しようとしているのであるならば,ねずみはどのようにしてそのぼろの中に隠れることができたのかとか,どうしてその中へ入れたのかとかいったことがらについて,そのぼろを十分に研究することが有益であろう.しかし,もしわたくしが,ねずみはそうしたものから発生するわけがないと確信しているのであれば,そうした研究はおそらく余計なものになるであろう.
しかし,哲学の中でそのような個々の事象に関する考察に反対しているものが何なのか,われわれはまず理解することを学ばなくてはならない.

六〇
いま「わたくしのほうきがその隅のところにある」といったとすると,––これは本当にほうきの把手と掃き出し部分に関する言明なのだろうか.ともかくも,人はこの言明を,把手の位置と掃き出し部分の位置について述べる言明で置き換える事ができよう.そして,そのような言明は,今や最初の言明を更に分析した形になっている.〔中略〕––誰かに向かって「ほうきを持ってきてくれ」という代わりに––「把手とそれが差し込んである掃き出し部分を持ってきてくれ」といった場合を考えてみよ.––これに対する答えは,「あなたはほうきが欲しいのか.それなら,なぜそんな奇妙な表現をするのか.」ということではないだろうか.〔中略〕

六九
〔中略〕
誰かがわたくしに向かって,「子供たちに何かゲームを教えてやってくれ」と言う.わたくしはかれらにサイコロ賭博を教える.すると,その人は「そんなゲームを教えてくれといった覚えはない」という.かれがわたくしに命令を与えたとき,サイコロゲームを除外することが,かれの念頭に浮かぶべきだったのだろうか.

八五
ある規則が立てられているとして,それが道しるべのようなモノであったとせよ.それはわたくしの行くべき道に関して何ら疑問の余地を残さないものであろうか.それは,わたくしがその側を通りすぎたとき,自分がどの方向へ行くべきか,つまり,街路にそってか,野道にそってか,それとも野道を横切って行くのかを指示するだろうか.だが,どのような向きでわたくしがそれにしたがわねばならないのかが,どこかに書いてあるのだろうか.その指の方向へということなのか,それとも(たとえば)その反対方向へということなのか.––それらにはたった一つの解釈しかないのだろうか.––だから,わたくしは,道しるべというものはそれでも疑問の余地を残さない,ということができる.あるいはむしろ,あるときは疑問の余地を残し,あるときには残さない,といえよう.すると,これはもはや哲学的な命題ではなくて,経験命題である.

八八
わたくしが誰かに向かって「どこかこの辺りに立っていろ」というとき,この説明は十分にその機能を果たしていないだろうか.果たしているとすれば,その他のあらゆる説明もうまくいかないだろうか.
「けれども,その説明はまだ不正確なのではないか.」––その通りである.なぜ人はそれを「不正確」と呼んではいけないのだろうか.われわれはただ「不正確」ということがどういうことを意味しているかを理解しよう.なぜなら,それは「使用不能」ということではないのだから.さらにわれわれは,かような説明との対比において,どのようなものを「正確な」説明と呼んでいるのか,とくと考えてみよう.たとえば,一つの区域をチョークの線で区切ることか.だが,そこですぐ思いつくことは,その線に幅があるということである.それゆえ,もっと正確なのは色の境界ということであろう.だが,そのとき,この正確さはなおも機能を果たしているだろうか.実は空回りしているのではないか.しかも,われわれは,どういうことをかかる正確な境界からの逸脱とみなしていいのか,どのようにして,いかなる器具をもって,それが確立さるべきなのか,等のことをいまだに決定していないのである.
〔中略〕
「不正確」ということは,もともと非難さるべきことであり,「正確」ということは称讃さるべきことである.さらに,このことは,不正確なものは正確なものほど完全にその目的を達成しない,ということである.だから,そこで何をわれわれが「目的」と呼ぶかが問題になる.わたくしが太陽までの距離を一メートルまで正確に述べず,家具師に机の幅を〇・〇〇一ミリまで正確にいってやらないと,不正確ということになるのか.
正確さの理想像など一つも用意されていない.それをどのように考えていいのか,われわれは知らない.––もし自分自身でそう呼ばれるべきものを確定していない限りは.しかし,そのような規定,自分自身を満足させるような規定にゆきあたるのは,むずかしいことであろう.

一〇七
〔中略〕––われわれはなめらかな氷の上にまよいこんでいる.そこには摩擦がないから,諸々の条件はある意味で理想的なのだが,まさにそのために,われわれは先に進むことができない.われわれは前に進むことを欲する.だから摩擦が必要なのだ.きめの粗い大地へ戻れ.

一二三
哲学の問題は,「わたくしは途方にくれている」という形をとる.

一二六
哲学は,まさにすべてのことに言及するのみ.何事も説明せず,何事も結論しない.––すべてが公然としているから,説明すべきこともない.なぜなら,隠れているかもしれないようなものに,われわれは興味をもたないからである.
およそ新しい発見や発明がなされる以前に可能なものをも,人は「哲学」と呼ぶことができよう.

二四九
なぜイヌは痛がっているふりをすることができないのか.誠実でありすぎるからか.イヌに痛がっているふりをすることを教えることはできるだろうか.おそらく特定の状況の下では,痛みを感じていないのに痛がっているようななき声を出すよう,教えることができるだろう.しかし,本当の偽装であるためには,この振舞いにはなお正当な周囲の条件が欠けている.

二五八
次のような場合を考えてみよう.わたくしはある種の感覚がくり返し起こることについて日記をつけたいと思っている.そのためにわたくしはその感覚を「E」という記号に結びつけ,自分がその感覚をもった日には必ずこの記号をカレンダーに書き込む.––まず第一に,わたくしは,この記号の定義を述べることができないことに気がつく.〔中略〕

二七〇
さて,自分の日記に「E」という記号を記入することの用途について考えてみよう.わたくしは次のような経験をする.すなわち,わたくしが一定の感覚をもつとき,血圧計がわたくしの血圧の上昇を示す.すると,わたくしは,器械の助けがなくても自分の血圧の上昇を明言することができるようになる.これは有益な結果である.そうすると,わたくしがその感覚を正しく再認したかどうかということは,もはや全くどちらでもよいことのようであるようにみえる.わたくしがたえずそれらの感覚の認定を間違えると仮定しても,一向に構わない.そして,このことは,こうした誤りを仮定することが単なる見せかけにすぎなかったことを既に示している.(われわれは,いわば,機械を動かすことができるかに見えるボタンをまわしたのだが,それは実は装飾品だったのであり,それと機械の機構は全然つながっていなかったのである.)
すると,この場合,どういう根拠によって,「E」がある感覚を指示しているというのか.おそらく,この記号が言語ゲームの中で用いられる方法によってであろう.––では,なぜ「一定の感覚」,つまり,そのたびに同じ感覚でなくてはならないのか.いや,われわれはそのたびに「E」と書く,と仮定しているのである.
哲学探究はヴィトゲンシュタインせんせーの後期思想と言われるモノらしいのだけれど,話題が日常に近いとかってのにも加えて,あいかわらず電波的と言うか,イイ感じにぶっ飛んでいるのでなかなか笑える. :DDD

個人的に付け加えておきたいのは,こーゆー思想の変遷を見て,単純に「じゃあ小難しく考える事ぁ無ぇじゃねぇかよ」と文句を言うのは見当違いだと思う.カントが人倫の形而上学の基礎づけでそーゆー輩を皮肉ってる言い回しはウマい.
通俗概念へのこのような下降は,純粋理性の原理への上昇がまず行われて申し分なく達成された後であれば,実際きわめて讃むべきことである.いいかえれば,道徳論をまず形而上学によって基礎づけ,かくて道徳論を確立した上で,それに通俗性を与えて人々に近づきやすくすることは,結構なことなのである.しかし,原則の正しさの一切がかかっている最初の研究においてすでに通俗性にすすんで心がけようとすることはきわめて不当である.ひとが根本的な知見をすべて断念するなら,誰にもわかるようにのべることは全く造作のなくできるのだから,はじめから通俗性を心がけるやり方は,真の哲学的通俗性というきわめてまれな長所をみずからのものだと主張することは決してできない.のみならず,そういうやり方は,寄せ集めの観察となまはんかな議論の原理との,厭なごた混ぜを生み出すのであり,これは確かに日常のおしゃべりには大いに役立つものを含むから,浅い考えの人々には喜ばれるが,物のわかった人々はそれに困惑し,不満ながらどうしてよいかわからずにそれから目をそむけてしまうのである.これにひきかえ,まやかしを十分見ぬいている哲学者たちは,見せかけの通俗性をしばらく離れてまずはっきりした知見を得た後にはじめて正しい意味で通俗的であることができるのだ,と人々に呼びかけるのだが,これに耳をかす者はほとんどいないのである.
とっても1337ishです,ウケる. :DDD

修正:若干のtypos.

2010/04/06

MeasureSLOC(&LMS); /* 2010/03 */

3月分のdiffstat.
bench/BENCH_CALCULATE_SNR_SINR.vhd |    4 
 bench/BENCH_LMS.vhd                | 2083 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 bench/BENCH_LMS_LX.vhd             | 1337 +++++++++++++++++++++++
 bench/BENCH_LVDS.vhd               |  385 +++++-
 bench/BENCH_S4LLR.vhd              |   67 +
 bench/BENCH_S5LDPCD.vhd            |   50 
 bench/LMS_LX1.vhd                  |  601 ++++++++++
 bench/LMS_LX2.vhd                  |  601 ++++++++++
 bench/LMS_LX3.vhd                  |  601 ++++++++++
 bench/METABENCH_LMS.vhd            |  125 ++
 bench/METABENCH_LMS_LX.vhd         |  167 ++
 vhdl/AANORM.vhd                    |  395 +++++++
 vhdl/ACB.vhd                       |   14 
 vhdl/ACN.vhd                       |   37 
 vhdl/ACW.vhd                       |   14 
 vhdl/AFIFO.vhd                     |   27 
 vhdl/COMMON_TYPE_PKG.vhd           |    8 
 vhdl/EXCHANGE_LX1_F4J2.vhd         |  263 ++++
 vhdl/EXCHANGE_LX2_F4J1.vhd         |  263 ++++
 vhdl/EXPORT_LVDS.vhd               |   12 
 vhdl/EXPORT_LX1_F3J2.vhd           |  134 +-
 vhdl/EXPORT_LX4_F3J1.vhd           |    6 
 vhdl/EXPORT_LX4_F4J1.vhd           |    6 
 vhdl/IMPORT_LVDS.vhd               |   58 -
 vhdl/IMPORT_LX1_F1J6.vhd           |   18 
 vhdl/IMPORT_LX1_F2J4.vhd           |   18 
 vhdl/IMPORT_LX2_F3J1.vhd           |  137 +-
 vhdl/ISQRT.vhd                     |  738 +++++++++++++
 vhdl/IWSRFA.vhd                    |  202 ++-
 vhdl/LDPCD.vhd                     |    8 
 vhdl/LMS_DCM.vhd                   |   17 
 vhdl/LMS_FORMER.vhd                |  629 ++++-------
 vhdl/LMS_LATTER.vhd                |  413 ++-----
 vhdl/LMS_LX1_FPGA1.vhd             |  204 ++-
 vhdl/LMS_LX1_FPGA2.vhd             |  298 ++++-
 vhdl/LMS_LX1_FPGA3.vhd             |  146 ++
 vhdl/LMS_LX1_FPGA4.vhd             |  264 ++--
 vhdl/LMS_LX2_FPGA1.vhd             |  643 +++++++++++
 vhdl/LMS_LX2_FPGA2.vhd             |  964 +++++++++++++++++
 vhdl/LMS_LX2_FPGA3.vhd             | 1002 +++++++++++++++++
 vhdl/LMS_LX2_FPGA4.vhd             | 1090 +++++++++++++++++++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA1.vhd             |  211 +++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA2.vhd             |  340 ++++++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA3.vhd             |  163 ++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA4.vhd             |  136 ++
 vhdl/LMS_LX_FEBE.vhd               |   95 +
 vhdl/S4LLR.vhd                     |   62 -
 vhdl/S5LDPCD.vhd                   |   16 
 vhdl/SB_MASTER.vhd                 |   17 
 vhdl/SCB.vhd                       |   14 
 vhdl/SCN.vhd                       |   31 
 vhdl/SCW.vhd                       |   14 
 vhdl/SFIFO.vhd                     |   13 
 vhdl/WSX_LFSR.vhd                  |  412 +++++++
 54 files changed, 14272 insertions(+), 1301 deletions(-)
synthesizableなブツとしての大物としては,先々月分から追加した1ボード分のtop wrapperにあたるvhdl/LMS_LX2_FPGA{1,2,3,4}.vhdだな.合計で4kLOC以下に抑えられたみたい.つーか,相変わらず,テストベンチがデカ過ぎる. :DDD

ブツは4月に入ってからもチョコチョコ直してるのので,何気にもう少しかかりそうな臭い.つーか,別の人に作ってもらっている接続対象の前段と後段があるんだが,インターフェイスまわりのコードに限らず,スタイルがうんこで泣ける.よいこのみんな!インデントがハードタブだのソフトタブだのはこの際どうでもいいから,せめて行末の謎の空白とかタブだけの空行とかは消しとこうぜ!!1 :P

2010/04/01

if(!(!p) == p) { ... }

  ボブ「やぁ,ジョニー,聞いてくれよ.」
ジョニー「なんだい,ボブ?」
  ボブ「4/1は何の日か知ってるかい?」
ジョニー「ああ,もちろん!嘘祭り,エイプリルフールだね?」
  ボブ「そうそう.」
ジョニー「で,何かネタは仕込んだかい?」
  ボブ「ネタは思いついたんだけど,どうにもウマい展開が出来なくてさ.」
ジョニー「へぇ,どんなネタだい?」
  ボブ「ある意味,エイプリルフールなら嘘の一つくらいはつくのがマナーみたいなモンだろ?」
ジョニー「そうだねぇ.」
  ボブ「そこでさ,『今日,私は嘘をつきません』とか言うネタなんだ.」
ジョニー「ああ,なるほど.嘘つきのパラドクスってヤツだね.」
  ボブ「そうそう.でも,一発ネタで終わり,続かないんだよね.」
ジョニー「そうかい?かなり引っ張れるネタだと思うけど?」
  ボブ「え?そうかい?」
ジョニー「じゃあ,ボクが使ってイイかい?」
  ボブ「ああ,構わないよ」

ジョニー「さぁ,ボクの言う事を注意して聞くんだよ,ボブ.これからボクが言おうとしている事はとてつもない質問だから.」
  ボブ「任せてくれよ,ジョニー.そう簡単にボクは騙されないさ!」
ジョニー「ボクはたった今,何と言ったけ?」
  ボブ「キミはこう言ったよ!『これからボクが言おうとしている事はとてつもない質問だから.』」
ジョニー「じゃあ,キミはボクの言った事が分かったんだね?」
  ボブ「もちろんさ!キミの注意はボクに言った質問についてだね.」
ジョニー「で,ボクが注意したボクの質問は何だった?」
  ボブ「ん?キミの質問?…ああ,キミの質問はこうだったね.『ボクはたった今,何と言ったけ?』」
ジョニー「で,キミが今,反芻したボクの質問の意味が分かった?」
  ボブ「うん.だって,キミがハジメに訊いた時,ボクは正しく答えたじゃない.」
ジョニー「うん.キミはこれがとてつもない質問だったと思うかい?」
  ボブ「いーや.フツーじゃない?」
ジョニー「でもね,ボクの質問は意味が無くて理解出来ない質問だと顔を真っ赤にして怒るヒトタチも居たんだよ.」
  ボブ「何でそのヒトタチはキミの質問に意味が無いなんて怒るんだい?」
ジョニー「ボクの質問が間接的に自己言及しているからさ.」
  ボブ「キミの質問はついさっきキミが注意した事について言っているだけだよね?」
ジョニー「で,ボクの注意は何について言ったのかな?」
  ボブ「おおぅ.キミの注意はキミの質問について言っていて,キミの質問はキミの注意について言ったんだ!」
ジョニー「でも,キミはボクの注意も質問も分かったんだろう?」
  ボブ「そうさ!そんな簡単にボクは騙されないよ!」
ジョニー「つまりさ,間接的な自己言及は意味が有ったって事にならない?」
  ボブ「そうだね.」
ジョニー「これ,トンデモナイ事だと思わない?」
  ボブ「フツーでしょ?何でこんなネタで引っ張れるのか不思議だよ,ボクは.」
ジョニー「ボクを怒るヒトタチはね,『嘘つきのパラドクスはありえない.何故なら,有意味で適切に構成された言明は自己言及出来ないから』と言うんだ.」
  ボブ「嘘つきのパラドクスってさ,なんか騙された気がするからそんなの有り得ねぇと切り捨てるのは手っ取り早いね.」
ジョニー「だけど,間接的な自己言及を許したら嘘つきのパラドクスは始末出来ないよ?」
  ボブ「え?ちょっとやってみてくれないかい?」
ジョニー「ボクがしようとしている次の主張は真である.」
  ボブ「ジョニー,キミはいつも本当の事を言っているじゃないか.」
ジョニー「ボクの先の主張は真ではない.」
  ボブ「おおぅ,前言撤回かい?誰にでも間違いはあるよね,ボクは優しいから許してあげるさ.…あれ?」
ジョニー「間接的な自己言及による嘘つきのパラドクスの出来上がりだね.」

  ボブ「…ジョニー,ボクはイイコトを思いついたよ.」
ジョニー「なんだい?」
  ボブ「パラドクスの引き金になる自己言及ってさ,フツーにありふれたモノだし,言われて頭がパンクするほど悩む事でもないよね?」
ジョニー「おやおや,降参かい?」
  ボブ「いやいや,メンドイからってポ〜イした訳じゃないよ.」
ジョニー「どう言う事だい?」
  ボブ「つまりさ,本当と嘘,それと本当か嘘か判断しようのないコトがあるんじゃないかって.」
ジョニー「有意味と無意味.有意味な方は真か偽のどちらかで,無意味な方はどちらか分からないって事かい?」
  ボブ「そうそう.コレで逝けるんじゃないかな?」
ジョニー「ボブ,残念ながらそれでもダメでござるよ.」
  ボブ「おいおい,ジョニー,いきなりそいつぁいただけないな.説明してくれたまへ.」
ジョニー「この三つの分類だとね,パラドクスの場所が移動するだけでパラドクスそのものは始末出来ないよ.」
  ボブ「ほうほう,続けてくれたまへ.」
ジョニー「uが『uは偽である』と言う言明そのものの名称であるとした場合はいつ何時でも『uは偽である』と言う言明は無意味だ,と誰かさんが証明したとしよう.」
  ボブ「つまり,嘘つきのパラドクス自体はその天才の誰かさんが無意味だと証明してくれたモノとする訳だね?」
ジョニー「そうそう.でもね,この仮定に従ってキミの提案を受け入れると,uには意味があると反論出来るのさ.」
  ボブ「え?ヒントをくれない?」

「『xは無意味である』が真」ならば「『xは真である』は偽」…(1)
「『xは無意味である』が真」ならば「『xは偽である』は偽」…(2)
「yが偽」ならば「yは有意味」…(3)
「『uは無意味である』が真」ならば「『uは偽である』は偽」…(4)
「『uは偽である』が偽」ならば「『uは偽である』は有意味」…(5)
「『uは偽である』は有意味」ならば「uは有意味」…(6)

ジョニー「ボブ,この思考は追っていけるかい?」
  ボブ「やってみるよ!」
ジョニー「では,がむばってくれたまへ.」
  ボブ「(1)に現れるxは何かテキトーなトンチンカン発言だと考えればいいね.」
ジョニー「そうそう.」
  ボブ「無意味って言う分類はもともとボクが言い出したカテゴリーだから,こう言うxが存在しないって事は無い.」
ジョニー「うんうん.」
  ボブ「xはトンチンカン発言だから,xは本当のコトと言うのは嘘.これが(1).」
ジョニー「じゃあ,(2)は?」
  ボブ「(1)と殆どおなじさ.xはトンチンカン発言だから,xが嘘と言うのは嘘.」
ジョニー「お次は(3)だよ!」
  ボブ「コイツは簡単だ.yは何かテキトーな嘘っぱち発言だと考えればいいね.」
ジョニー「そうそう.」
  ボブ「yは嘘っぱちだと判明しているので,yには意味がある.これが(3).」
ジョニー「(4)の"ならば"の前にあるのは,天才の誰かさんが証明しくれたから本当のコトだと考えると言う意味だよ!」
  ボブ「ACK.で,それにも関わらずそれが嘘っぱちだと噛み付いた愚か者の発言こそ嘘っぱちだったと言う訳だね.そう言えば,これは(2)と同じ形だね.」
ジョニー「そうそう.」
  ボブ「(5)は(3)と同じ形をしているね?」
ジョニー「うん.(5)の"ならば"の後ろは(6)の"ならば"の前と同じだよ!」
  ボブ「ふむふむ.そんでもって『uは偽である』はuそのものだったから(6)の"ならば"の後ろが…ありゃ?」
ジョニー「で,uってそもそも何だったけ?」
  ボブ「uは自分自身を否定する自己言及でございました.」
ジョニー「uは意味があるんだって結論だね.」
  ボブ「なんてこった!嘘つき野郎をテメェは無意味だと渾身のドロップキックをかましたのに!」
ジョニー「リングのロープで跳ね返って来て奴のフライングエルボーを喰らったね.」

  ボブ「で,ジョニー.結局,コレはなんとかならないの?」
ジョニー「とっても簡単な方法があるよ.」
  ボブ「へぇ,どうすればいいんだい?」
ジョニー「さっき,キミが言った様にフツーにしてればいいのさ.」
  ボブ「へ?」
ジョニー「つまりさ,こう言う類いのパラドクスにハマらない様に気をつけて,それ以上はウジウジ悩まないってコト.」
  ボブ「そんなんでいいの?」
ジョニー「フツーの言語をフツーの目的に使うなら十分だし,安全だよ.」
  ボブ「むしろ不安になるよ.」
ジョニー「少なくとも,フツーなボクらはこれ以外のコトは何も出来ないさ.」
  ボブ「まぁ,そうか.最初にキミがボクを試した様に自己言及やら嘘つきのパラドクスやらは簡単に作れるしね.」
ジョニー「そして,キミもボクもそーゆー言明でも分かった様に振る舞えるからね.」
  ボブ「でもさ,こーゆーフツーの態度こそあるべき姿って気はするよ.」
ジョニー「結局さ.気が狂った様に嘘か真か問い詰めるのも,都合の悪いモノを無意味だと切り捨てるのもあんまりイイ傾向じゃないよね?」
  ボブ「だからって,何もかも本当か嘘か分からないまま放置プレイするのもあんまりイイ傾向じゃないよね?」
ジョニー「でさ,オタクってさ,この二つの傾向がフツーの人と逆なんじゃないかと思うんだけど,どう思う?」
  ボブ「ソイツはノーコメントとさせて頂くよ!」

2010/03/02

MeasureSLOC(&LMS); /* 2010/02 */

2月分のdiffstat.
bench/BENCH_CALCULATE_SNR_SINR.vhd |    6 
bench/BENCH_LVDS.vhd               |  485 ++++++------
bench/BENCH_S1p2SIC.vhd            |    4 
bench/BENCH_S4LLR.vhd              |  124 ++-
bench/BENCH_S5LDPCD.vhd            |  110 ++
bench/BENCH_S7RIE.vhd              |   14 
bench/METABENCH_S4LLR.vhd          |  122 +++
bench/METABENCH_S5LDPCD.vhd        |  122 +++
bench/METABENCH_S7RIE.vhd          |   26 
vhdl/ACB.vhd                       |   63 +
vhdl/ACN.vhd                       |   89 +-
vhdl/ACW.vhd                       |   64 +
vhdl/CALCULATE_SINR.vhd            |  111 +-
vhdl/CALCULATE_SNR.vhd             |  173 ++--
vhdl/CLTUNE.vhd                    |   45 -
vhdl/COMMON_TYPE_PKG.vhd           |   50 +
vhdl/CSSSTM.vhd                    |  276 -------
vhdl/DIVSR_RR.vhd                  |    4 
vhdl/EDGE_DELAY.vhd                |  163 ++++
vhdl/ESTIMATE_NOISE.vhd            |    4 
vhdl/EXPORT_F3J1.vhd               |  154 ----
vhdl/EXPORT_F4J1.vhd               |  155 ----
vhdl/EXPORT_LVDS.vhd               |  108 ++
vhdl/EXPORT_LX1_F3J2.vhd           |  162 ++++
vhdl/EXPORT_LX4_F3J1.vhd           |  176 ++++
vhdl/EXPORT_LX4_F4J1.vhd           |  177 ++++
vhdl/GSSSTM.vhd                    |  494 +++++++++++++
vhdl/IMPORT_F1J6.vhd               |  149 ---
vhdl/IMPORT_F2J4.vhd               |  148 ---
vhdl/IMPORT_LVDS.vhd               |  118 ++-
vhdl/IMPORT_LX1_F1J6.vhd           |  172 ++++
vhdl/IMPORT_LX1_F2J4.vhd           |  171 ++++
vhdl/IMPORT_LX2_F3J1.vhd           |  167 ++++
vhdl/IWSRFA.vhd                    |  624 ++++++++++++++++
vhdl/LDPCD-stub.vhd                |   96 --
vhdl/LDPCD.vhd                     |  166 ++--
vhdl/LMS_DCM.vhd                   |  216 +++++
vhdl/LMS_FORMER.vhd                | 1370 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++
vhdl/LMS_LATTER.vhd                |  935 ++++++++++++++++++++++++
vhdl/LMS_LX1_FPGA1.vhd             | 1203 +++++++++++++++++++++++++++++++
vhdl/LMS_LX1_FPGA2.vhd             | 1404 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++
vhdl/LMS_LX1_FPGA3.vhd             |  953 +++++++++++++++++++++++++
vhdl/LMS_LX1_FPGA4.vhd             |  727 +++++++++++++++++++
vhdl/LMS_LX3_FPGA1.vhd             |  194 +++++
vhdl/LMS_LX3_FPGA2.vhd             |  314 ++++++++
vhdl/LMS_LX3_FPGA3.vhd             |  148 +++
vhdl/LMS_LX3_FPGA4.vhd             |  119 +++
vhdl/LMS_LX_FEBE.vhd               |  841 ++++++++++++++++++++++
vhdl/PP2RIE.vhd                    |   10 
vhdl/RSTSTM.vhd                    |  213 +++++
vhdl/S0SNR.vhd                     |  398 +++++-----
vhdl/S1WINV.vhd                    |    8 
vhdl/S1p2SIC.vhd                   |   84 +-
vhdl/S3SINR.vhd                    |  286 +++----
vhdl/S4LLR.vhd                     |  100 +-
vhdl/S5LDPCD.vhd                   |  120 ++-
vhdl/S7RIE.vhd                     |   10 
vhdl/SB_MASTER.vhd                 |  783 ++++++++++++++++++++
vhdl/SB_SLAVE.vhd                  |  384 ++++++++++
vhdl/SCB.vhd                       |   59 +
vhdl/SCN.vhd                       |   73 +
vhdl/SCW.vhd                       |   60 +
vhdl/UMA_IN_SYMBOL.vhd             |   10 
vhdl/UMA_OUT_SYMBOL.vhd            |   11 
64 files changed, 14207 insertions(+), 2118 deletions(-)
ステージ化したブツのwrapperにあたるvhdl/LMS_{FORMER,LATTER}とFPGAのtop wrapperにあたるvhdl/LMS_LX1_FPGA{1,2,3,4}.vhdが無駄にデカい.vhdl/LMS_LX3_FPGA{1,2,3,4}.vhdもFPGAのtop wrapperなんだけど,使わないので中身は空っぽで小さい.

上位デザインに行くに従ってSLOCが増大する原因の一端は,entityやcomponentにオレオレrecord typeを持ってくるのがなんとなく嫌なのでportの抽象化が甘いから.自分でもinstanceをwrapする度にメンドクサさが倍増しているのを感じているんだが,どうにかしたいと思いつつ放置プレイしとる.

もう1ボード分のtop wrapperにあたるvhdl/LMS_LX2_FPGA{1,2,3,4}.vhdを書けば一通り終わりでござる. :D

2010/02/28

migrate2KMS(&nouveau); /* again */

  ボブ「やあ,ジョニー,聞いてくれよ.」
ジョニー「なんだい,ボブ」
  ボブ「最近,nouveauがmain kernel入りしてイケてるじゃん?」
ジョニー「2.6.33でDRMがmergeされたって話だね.」
  ボブ「そうそう」
ジョニー「nouveaufbがKMS centricになったって話も聞いたよ?」
  ボブ「うん,それでちょっと前に試してみたんだけど,やっぱりぶっ壊れてたんだ.」
ジョニー「ああ,そう言えば君はppc32だったね.」
  ボブ「うん,x86が嫌いだからね.」
ジョニー「なるほど,多分offbがdestroy出来なかったのが原因だね.」
  ボブ「そうなんだ,offbのトコにdestroyが追加されたんだ.」
ジョニー「じゃあ,offb - nouveaufb間のハンドオフが出来る様になるハズだから...」
  ボブ「うん,もう一回試そうかと思ってさ.」
ジョニー「なるほど,ぶっ壊れるのを恐れずにまたも果敢に挑戦する訳だね?」
  ボブ「もちろん,ricerだからね!」

ジョニー「まずはkernelを更新しようか.」
  ボブ「どれが良いかな?」
ジョニー「2.6.33ベースのモノならどれでもイイと思うな.」
  ボブ「じゃあ,手堅くsys-kernel/gentoo-sources-2.6.33にしよう.」

$ emerge =sys-kernel/gentoo-sources-2.6.33

ジョニー「kernelをbuildしておかないとDRM moduleがbuild出来ないから先に片付けてしまおう」
  ボブ「そう言えば,知っているかい? eselect kernelで/usr/src/linuxのsymlinkが変更出来るんだぜ.」

$ eselect kernel linux-2.6.33-gentoo

ジョニー「でもこれってeselect profileに匹敵するくらい要らない機能じゃない? ln -sfとドコがちが...」
  ボブ「ソイツは言わないお約束さ! kernelをbuildするのはGentooらしくgenkernelを使おうか!」

$ genkernel \
--kernel-config=/etc/kernels/kernel-config-${ARCH}-$(uname -r) \
--menuconfig --makeopts=-j2 all

ジョニー「configには気をつけないとね.」
  ボブ「具体的には?」
ジョニー「x11-base/nouveau-drmの中のCONFIG_CHECKを参考にするれば良いと思うよ」
  ボブ「これはどう言う風に解釈するんだい?」
ジョニー「eclass/linux-info.eclassをみれば分かるよ.」
  ボブ「ああ,なるほど.!が付いているヤツはN,それ以外はYかMにすれば良いんだね?」
ジョニー「うん」

ジョニー「次はDRMだね.」
  ボブ「officialのx11-base/nouveau-drmでイイかい?」
ジョニー「なんだricerらしくないじゃないか.先っぽを使うに決まってるだろう?」
  ボブ「先っぽを使うとなんかメリットがあるの?」
ジョニー「x11-drivers/nouveau-firmwareが要らなくなるよ.runtimeでDRM module自身が生成してくれる.2.6.33ベースだと,多分この変更は入っていないのでconfigのやり直しになるよ?」
  ボブ「でもnouveau/linux-2.6をgit cloneするのはメンドくない?」
ジョニー「物好きが必要な部分だけhg repoにsnapshot作りながらebuildまで用意しているよ?
  ボブ「じゃあ,コイツを使おう.」

$ emerge =x11-base/nouveau-drm-99999999-r1

ジョニー「忘れずに/etc/conf.d/modulesを更新しておこう.」
  ボブ「具体的には?」
ジョニー「最近はload-time orderはあんまり問題にならないケド,AGP,DRM,nouveauの順で追加すればイイと思うよ.」
  ボブ「ふむふむ.」
ジョニー「ああ,それからnouveau moduleはmodesetパラメータを持ってるんだ.」
  ボブ「なんだいそれは?」
ジョニー「1と0のどちらかを設定する事でKMSのon/offが出来るのさ.defaultではonだけどね.」
  ボブ「へぇ.」

ジョニー「最後にuserlandな野郎共を更新しよう.x11 overlayのlive ebuildを使うんだよ?」
  ボブ「わかってるさ.x11-proto関連も忘れずに,だね!」
ジョニー「それからmedia-libs/mesaはGallium3D capable(USE="gallium")にしてVIDEO_CARDS="nouveau"だよ.念の為,x11-base/xorg-serverとx11-drivers/*もremergeしておくとイイと思うよ.」
  ボブ「FULL ACK!」

$ emerge \
=x11-proto/dri2proto-9999 \
=x11-proto/glproto-9999 \
=x11-proto/xf86driproto-9999 \
=x11-libs/libdrm-9999 \
=media-libs/mesa-9999 \
x11-base/xorg-server \
$(qlist -I -C x11-drivers/) \
=x11-drivers/xf86-video-nouveau-9999

ジョニー「live ebuildがコケたらどうするか覚えてる?」
  ボブ「勘でbisectして,EGIT_TREE経由でcommit revisionを指定だね?」
ジョニー「最近気付いたんだけど,EGIT_COMMIT経由でcommit revisionを指定してもイイみたい.」
  ボブ「まったく,gitはbad-designだから周りまでbad-designになって困るね.」

ジョニー「必要なら最後にboot loaderの設定ファイルを弄ってMBRとかに相当するモノを更新しよう.」
  ボブ「ボクの場合は/etc/yaboot.confの更新だね.」
ジョニー「sys-boot/yabootはsys-boot/liloと同じで設定ファイルを更新したらコマンドでboot partitionを弄らないといけないね.」
  ボブ「ボクは常にmkofbootとybinの合わせ技だね.-vでverboseにしながら.」

# mkofboot -v && ybin -v

ジョニー「そう言えば,GRUB2には移行しないのかい?」
  ボブ「そのうち試そうとは思ってるよ!」

ジョニー「よし,再起動だ!」
  ボブ「逝くぜ!」

# reboot

  ボブ「動いた!dmesg, Xorg.0.log, glxinfoまで完璧だ!」
ジョニー「まぁ,すごいのはupstream devsであって僕らじゃあないけどね.」
  ボブ「やっぱり,Gentooは最高だぜ!」

修正:若干のtypos.

2010/02/19

NetSurf / Framebuffer #3

最近,diffstat以外,まともに"てくにかる"な匂いがしないので,相変わらずぶっ壊れているnetsurfのFB FEでエアリハビリ的な事を行う事にした.

何時の間にかFB FEのコアがlibnsfbとかに分離してたので,svn coして野良ビルドで様子を伺いつつ,live ebuildをでっち上げて,更にnetsurfをsvn upして,適当にMakefile.configをでっち上げた後,あぶらかだぶらちちんぷいぷいごにょごにょもにょもして,make TARGET=framebufferすればOK. :D

チラ見したトコロ,bppやLE/BEの問題で色はぶっ飛んだままなんだけど,更にスクロールボタンをクリックしただけでSEGVすると言うbugを喰らったので,忘れない内にupstream devsを叩く. :P
2010/02/18 23:59:16 hiyuh
    hmm
2010/02/18 23:59:45 hiyuh
    nsfb-sdl is still br0ken?
2010/02/19 00:00:05 jmb
    how?
2010/02/19 00:01:57 mmu_man
    libcss ?
2010/02/19 00:02:26 hiyuh
    nope, press scroll-down button -> segv @ fb_browser_window_redraw
    line 331
2010/02/19 00:03:48 hiyuh
    http://dev.gentoo.gr.jp/~hiyuh/misc/nsfb-sdl-segv.jpg

2010/02/19 00:04:29 mmu_man
    gr.jp ? greek community in japan ? ;)
2010/02/19 00:05:00 jmb
    hiyuh: that's one for kyllikki, then
2010/02/19 00:06:12 hiyuh
    jmb: k
2010/02/19 00:06:57 hiyuh
    mmu_man: gr == group :p
2010/02/19 00:07:09 mmu_man
    ah ok
2010/02/19 00:07:14 mmu_man
    like teh .asso.fr maybe
2010/02/19 00:07:30 hiyuh
    yup
2010/02/19 00:09:58 kyllikki
    hiyuh: in head?
2010/02/19 00:11:25 hiyuh
    kyllikki: netsurf-r10069 + libnsfb-r9948
2010/02/19 00:15:14 hiyuh
    FYI http://dev.gentoo.gr.jp/~hiyuh/misc/nsfb-v.log
2010/02/19 00:15:15 kyllikki
    hmm
2010/02/19 00:16:25 kyllikki
    I will take a look
2010/02/19 00:16:33 hiyuh
    kthx
2010/02/19 00:18:51 hiyuh
    http://dev.gentoo.gr.jp/~hiyuh/misc/netsurf-r10071-DEJAVU_PATH.diff
2010/02/19 00:19:25 hiyuh
    hardcoded DEJAVU_PATH is not so good to me.
2010/02/19 00:20:18 jmb
    that really should be in Makefile.defaults
2010/02/19 00:20:25 jmb
    so you can override it in Makefile.config
2010/02/19 00:21:01 hiyuh
    I'd like to set default *.ttf in Makefile.config TBH
2010/02/19 00:21:24 hiyuh
    it's just quick and dirty
良い子の皆はfile pathをhardcodeしちゃダメだぞ! :D

2010/02/15

LpA * (7/7)

「論理哲学論考」を読み終わった.例によって大して理解していないと思うのだけれど,オレ的には六・四二からビミョーだった.最後の〆がカッコイイので引用しとこう. :D
哲学の正しい方法 『論理哲学論考』はいかに理解されねばならぬか

六・五三 哲学の正しい方法とは本来,次のごときものであろう.語られうるもの以外はなにも語らぬこと.ゆえに,自然科学の命題以外なにも語らぬこと.––そして他のひとが形而上学的なことがらを語ろうとするたびごとに,君は自分の命題の中で,ある全く意義をもたない記号を使っていると,指摘してやること.この方法はそのひとの意にそわないであろうし,かれは哲学を学んでいる気がしないであろうが,にもかかわらず,これこそが唯一の厳正な方法であると思われる.

六・五四 わたくしを理解する読者は,わたくしの書物を通りぬけ,その上に立ち,それを見下ろす高みに達したとき,ついにその無意味なことを悟るにいたる.まさにかかる方便によって,わたくしの書物は解明をおこなおうとする.(読者は,いうなれば,梯子を登りきったのちに,それを投げ捨てなければならない.)
読者はこの書物を乗り越えなければならない.そのときかれは,世界を正しく見るのだ.

七 語りえぬものについては,沈黙しなければならない.

以下,蝶意訳.

必要以上に喋りまくる事は決して正しいことではない.オレオレ主張をする輩には,手前の打っている高説はナンセンスであるとdisっても良い.当の本人は憤慨するだろうが,そんなに気にしなくて良い.

この様な姿勢を取るにせよ,あるいはそれを批判するにせよ,少なくとも一時は多くの事が無意味であると言うエア悟りの境地に達する.これより先に進む元気があるならば,それら全てをブン投げてハイパー頑張らねばならない.

漢は背中で語るのである. :D

修正:若干のtypo.

2010/02/02

MeasureSLOC(&LMS); /* 2010/01 */

今年最初のdiffstat.
bench/BENCH_CALCULATE_SNR_SINR.vhd |   50 -
 bench/BENCH_CLTUNE.vhd             |  108 ++
 bench/BENCH_DIVSR_RR.vhd           |   13 
 bench/BENCH_LVDS.vhd               |  374 +++++++
 bench/BENCH_S1IC.vhd               |  344 ++++---
 bench/BENCH_S1WCAL.vhd             |  926 ++++++++++++-------
 bench/BENCH_S1p2SIC.vhd            | 1755 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 bench/BENCH_S2WFMA.vhd             |  456 ++++++---
 bench/METABENCH_S1WCAL.vhd         |  264 +++++
 bench/METABENCH_S1p2SIC.vhd        |  229 ++++
 vhdl/ABS2SR_C.vhd                  |   27 
 vhdl/ACB.vhd                       |   70 +
 vhdl/ACN.vhd                       |   63 +
 vhdl/ACW.vhd                       |   39 
 vhdl/ADDSR_RR.vhd                  |   23 
 vhdl/ADDSR_UU.vhd                  |   33 
 vhdl/AFIFO.vhd                     |   10 
 vhdl/CALCULATE_SINR.vhd            |   83 +
 vhdl/CALCULATE_SNR.vhd             |   94 +
 vhdl/CLTUNE.vhd                    |  322 ++++++
 vhdl/CSSSTM.vhd                    |   17 
 vhdl/DECIMATE_SYMBOL.vhd           |    8 
 vhdl/DIVSR_CR.vhd                  |   17 
 vhdl/DIVSR_RR.vhd                  |  106 +-
 vhdl/ESTIMATE_NOISE.vhd            |   28 
 vhdl/EXPORT_F3J1.vhd               |  154 +++
 vhdl/EXPORT_F4J1.vhd               |  155 +++
 vhdl/EXPORT_LVDS.vhd               |  230 ++++
 vhdl/EXTRACT_AC.vhd                |    8 
 vhdl/EXTRACT_DATA.vhd              |    8 
 vhdl/GRLB.vhd                      |  117 ++
 vhdl/HS_BUS.vhd                    |   10 
 vhdl/IMPORT_F1J6.vhd               |  149 +++
 vhdl/IMPORT_F2J4.vhd               |  148 +++
 vhdl/IMPORT_LVDS.vhd               |  216 ++++
 vhdl/LDPCD-stub.vhd                |   19 
 vhdl/LDPCD.vhd                     |   23 
 vhdl/LLR2PP.vhd                    |    8 
 vhdl/MULSR_CC.vhd                  |   37 
 vhdl/MULSR_CR.vhd                  |   87 +
 vhdl/MULSR_RR.vhd                  |    4 
 vhdl/MULSR_RRCONST.vhd             |    6 
 vhdl/MULSR_UU.vhd                  |   23 
 vhdl/MULSR_UUCONST.vhd             |    6 
 vhdl/NIBBLESW.vhd                  |  123 ++
 vhdl/NbySNR.vhd                    |   64 +
 vhdl/PP2RIE.vhd                    |   12 
 vhdl/PP2SRG.vhd                    |   18 
 vhdl/PSQUASH.vhd                   |    8 
 vhdl/ROUND.vhd                     |   38 
 vhdl/S0SNR.vhd                     |  398 ++++++++
 vhdl/S1IC.vhd                      |  151 ++-
 vhdl/S1WCAL.vhd                    |  272 +++--
 vhdl/S1WCCM.vhd                    |  110 +-
 vhdl/S1WCFA.vhd                    |  514 +++++++---
 vhdl/S1WCFB.vhd                    |  618 +++++++++----
 vhdl/S1WDET.vhd                    |  134 ++
 vhdl/S1WINV.vhd                    |  294 ++++--
 vhdl/S1p2SIC.vhd                   |  830 +++++++++++++++++
 vhdl/S2WFMA.vhd                    |  131 +-
 vhdl/S3SINR.vhd                    |  102 ++
 vhdl/S4LLR.vhd                     |   52 +
 vhdl/S5LDPCD.vhd                   |  145 ++-
 vhdl/S6PP.vhd                      |    9 
 vhdl/S7RIE.vhd                     |    9 
 vhdl/S7SRG.vhd                     |    7 
 vhdl/SCB.vhd                       |   19 
 vhdl/SCN.vhd                       |   19 
 vhdl/SCW.vhd                       |   21 
 vhdl/SFIFO.vhd                     |   10 
 vhdl/SRG2IC.vhd                    |  362 +++----
 vhdl/UMA_IN_SYMBOL.vhd             |    8 
 vhdl/UMA_OUT_SYMBOL.vhd            |    8 
 vhdl/WCCM.vhd                      |    6 
 vhdl/WFMA.vhd                      |  502 +++++++---
 vhdl/XDPRAM.vhd                    |    9 
76 files changed, 10080 insertions(+), 1790 deletions(-)
over 10kSLOCだった. :D

最近,入出力レイテンシの継承の極意を手に入れたので,幾つかのオレオレプリミティブにソイツを導入してみたら,ナカナカ良さ気でとても宜しい.まだ改善の余地はあるので,手早くtop wrapperをでっち上げてゴニョりたいトコロではある.

2010/01/17

LpA * (4.024/7)

「論理哲学論考」の4.024まで読んだ.つーか,本文の前のラッセルの解題...の前にある訳者による小伝がウケる. :DDD
ヴィトゲンシュタイン小伝



ヴィトゲンシュタインはケンブリッジ大学の講師になった.『論考』が公刊されて既に10年の歳月が流れ,しかもその間,かれは一切の学問的活動を自らに禁じていたことを思い合わせると,いかにムーアやラッセルらの強力な推輓があったとはいえ,これは異例のことに属する.しかし,ヴィトゲンシュタインは,大学に教職を得たことを,とくに名誉とも,また喜ぶべきこととも思っていなかった.むしろ彼はそれを有難迷惑に感じ,さらには自らの職業に嫌悪を示しさえしたのである.自分は大学の教師に適していない.これは彼が親しい友人にしばしば洩らす愚痴であった.



ヴィトゲンシュタインは週に二回,授業をおこなうことになった.最初のうちは大学の教室を使い,のちには自宅の部屋で授業を行った.一回は講義に,一回は自由討論にあてられていた.そして,ケンブリッジでの講義は,途中数回途切れたものの,結局,1947年まで続くことになる.

一口に講義といっても,彼の場合,ありきたりのものとはわけがちがった.まずヴィトゲンシュタインはノート,メモの類を一切用いない.講義は時として,学生が前回の講義をまとめることからはじまる.次にヴィトゲンシュタインが,自分の選んだテーマについて,日頃考えていること――おそらく,その講義のために一週間考え続けたであろうこと――を一語一語,反芻するような仕方で話しはじめる.やがて彼は突然,語を切り,学生の一人に向かって話しかける.この点について君の意見はどうか.その学生の答えをもとにし,ヴィトゲンシュタインが批判・検討することで,彼の講義が再会する.しばらくたつとふたたび出席者に対して質問の矢が放たれる…….



時には講義はうまく進行しない.提出された問題があまりに難解であるために,ヴィトゲンシュタイン自身が混乱し,とまどってしまう.そのような折り,彼は「ちょっと待ってください.考えてみます」といったまま,椅子の端に腰を下し,身をかがめて考え込むのである.彼の苦闘は10分も20分も続く.周囲に沈黙の領する中を,俺は阿呆だ,とか,君らはひどい教師をもったものさ,とか,今日はなんてとんまなんだ,といった呪詛の言葉が彼の口からときどき洩れる.目は一点を凝視し,顔は厳しく,そして生気にみちている.彼は何ものかを捉えんとするかのように手を動かし,時折り,激しい苦悶の表情をしめす.それは,かつてヴィトゲンシュタインが親しい友人に洩らした言葉を,如実に示す態度であった.「人間は,年じゅう,躓いたり転んだり,躓いたり転んだりしているものなのさ.やることはただ一つ,起きあがってもう一度歩きだそうとすることだ.すくなくともそれが,私の一生やらなければならないことさ.」



ヴィトゲンシュタインは,生涯,妻を娶らなかった.理由は分からない.家庭の暖さを愛してはいたが,にもかかわらず,たえず孤独と放浪――精神の放浪も含めて――への激しい憧憬に駆られていたこの荒野の狼は,「家庭」という狭い檻には堪えられぬことを,本能的にさとっていたのかもしれない.炉辺の幸福は,彼にとってはしょせん,見果てぬ夢にすぎなかったのであろう.

彼を慕う女子学生も少なくなかった.しかしヴィトゲンシュタインは,彼女らに目もくれなかった,という話である.ケンブリッジに留学していたマルコムがアメリカに帰国するとき(このとき彼はまだ独身であった),ヴィトゲンシュタインが餞とした言葉がある.「何をしようと勝手だが,女の哲学者と結婚することだけは,よした方がいいよ.」


教職に就きたい中毒みたいなのに罹っていて,学術関係の予算がどーとか,大学院の環境があーだとか言っているヤツは,彼より情熱的に講義をして,彼より信念を持って研究しとるんかねぇ?悪いが予算や環境の事で文句垂れているうちはワシにはそう見えんぜよ.

2010/01/10

TLUG: goto utopia; /* wrong */

TLUGのテクニカルミーティングに行ってきた.相変わらず英語が聞き取れずに,前半でのネタで大笑いした後,気絶してた. :DDD
爆笑してたネタと言うのは,/etc/X11/xorg.confをバックアップする事で管理する方針を取った場合にどうなっちまうのかと言うモノだった.確かこんな感じだった.
$ ls /etc/X11
xorg.conf
xorg.conf.20090109
xorg.conf.bak
xorg.conf.bak.2
xorg.conf.bak.bak
xorg.conf.bak.bak2
xorg.conf.old
xorg.conf.old.bak
xorg.conf.old.bak2
xorg.conf.old2
xorg.conf.older
xorg.conf.oldest
一人でクソウケた. :DDD

全然カンケー無いけど,最近発見した上祐史浩オフィシャルサイトが香ばしい.釣りネタとしてはちょうど良いので晒しておく.「宗教かよ!」とか思うかもしれないけど,オレは無宗教でその手の徳は積んでないので,ポパーせんせーに登場してもらおう. :D
反駁



第十八章 ユートピアと暴力

暴力を憎み,暴力を減少させるために,また,もしできるならば,暴力を人間生活から除去するために働くことを,自分たちの最も重要であると同時に最も望む課題の一つであると確信している人びとは多い.わたくしは暴力に対するこの様な願望に満ちた敵の一人である.



二人の人間が対立するのは,かれらが意見を異にするか,利害を異にするか,あるいはその両方であるかするからである.社会生活には,なんらかの仕方で決着をつけねばならない多くの種類の不一致がある.



だが,どのようにして決着をつけることができるのだろうか.とりうる方法は,たいていの場合,ただ二つしかない.すなわち,議論(仲裁機関––たとえば,ある種の国際裁判所––に付託される議論をも含めて)と暴力,という二つの方法である.あるいは,衝突しているのが異なる利害である場合には,とりうる二つの方法は,合理的な妥協か,さもなければ,一方の利害を粉砕しようとする企てか,のいずれかである.

わたくしが合理主義者という名で呼ぶのは,暴力によってではなく,議論によって,ある場合にはおそらく妥協によって,決着をつけようと努める人である.つまり,合理主義者とは,暴力によって,威嚇や脅迫によって,あるいは口のうまい宣伝によってさえ,他人を粉砕するのに成功するくらいなら,むしろ議論によって他人を納得させるのに失敗する方がましだ,と考える人なのである.

わたくしが合理的態度といっているものは,議論によって人間を納得させようとすることと,宣伝によって人間を説き伏せようとすることとの相違を考えてみるならば,よりいっそうよく理解できるであろう.

その相違は,議論を用いるか否かということに重点があるのではない.宣伝もまた,しばしば議論を用いるのである.また,その相違は,われわれの議論は反論の余地のないものであって,分別のある人間なら誰もがそう認めるにちがいない,というわれわれの確信にあるのでもない.むしろ,その差異は,互酬互譲の態度,つまり相手を納得させようとするだけでなく,もしかしたら自分は相手に納得させられてしまうかもしれないという心構えをもつことにある.わたくしが合理的態度と呼ぶものは,次のような表現で特徴づけることができよう.「わたくしは自分が正しいと思うが,しかし間違っているかもしれない.そして君が正しいのかもしれない.とにかく,それを討論しあおうではないか.なぜなら,討論しあうことによって,お互いが自分は正しいのだとただ言い張っているよりも,真の理解によりいっそう近づける見込みがあるからだ.」



社会生活において互いに相手と対処しあう時,この合理的態度を実際に行動に移す場合にのみ,はじめて暴力を避けることができる,とわたくしは信じている.これ以外の態度はすべて––たとえ穏やかな説得でもって他人に対処し,自分の所有を誇るすぐれた洞察力にもとづく議論や実例によって,また自分がその真理性を絶対的に確信している議論や実例で相手を納得させようとする一方的な試みでさえ––おそらく暴力を生み出すであろう.いかに多くの宗教戦争が愛と優しさを説く宗教のために闘われたかを,われわれの誰もが覚えている.また,永劫の地獄の業火から人びとを救おうとする正真正銘の親切心から,いかに多くの人間が生きながら火あぶりにされたかを,われわれはよく覚えている.
こんなん言った後で,ポパーせんせーはユートピア主義をパネェくらいにボコボコにすんだけど,長いので割愛. :D

件のイカす上祐のサイトには,一連のオウム関係の事件の総括やらの内に,彼のオレオレ宗教観点からの似た様な考察が書かれている部分があったので,「ふーん,へー,ほー」とか思った.

ちなみにですね,彼の文章からは大層な事を学んだ様な感じを受け手に与える影響が深読み出来るんですが,上に引用したポパーせんせーの本は,"たった"6500円です.私は中古で買ったので多分もっと安いけど,値段は忘れた.まぁ,ゔぃみょーなオレオレ主張に耳を傾けるよりはカタい本を読んだ方がオレには分かり易かった. :D

修正:若干のtypos.

2010/01/06

void resolve(time_t year) { ... }

あ(略

去年から読んでいたポパーの「推測と反駁」を年末年始の休みに読み終わって,ヴィトゲンシュタインの「論理哲学論考」を少し読み始めた.会社のオレの机には幾つか本が飾ってあるのだけれど,今はその中の一つになってる.イイ感じに意匠になって大変宜しい.年度末までシミュレーションの激しく重いブツが続きそうなので,仕事をしているフリをしてチョコチョコ読む気満々だったりするのだったのだった. :DDD

で,新年の抱負でも書きますかね,書いておけばやるかもしれないからな.あんま”てくにかる”な事を書いても釣りネタにならないので,カントのネタで逝こうと思ふ.

人倫の形而上学の基礎づけ



第一章 通常の道徳的理性認識から哲学的な道徳的理性認識への移り行き

われわれが無制限に善とみとめうるものとしては,この世界の内にもまた外にも,ただ善なる意志しか考えられない.理解力や機知や判断力やその他いろいろに呼ばれるところの精神の才能および勇気や果断や根気強さなどという,気質の持つ特質は,確かに多くの点で善なるものであり望ましいものである.しかしそれらは,またきわめて悪いものや有害なものにもなりうる.すなわち,それら自然の賜物を使用する任務を持つ意志——したがって意志の固有の性質は(才能や気質を別にして)性格と呼ばれる——が,善でない場合である.



いくつかの性質は,この善なる意志そのものを力づけて善なる意志の仕事を大いに容易にすることさえもできるが,しかしそれにもかかわらず,内的な無条件な価値を決してもたず,善なる意志をどこまでも前提にするのである.善なる意志は,そのような性質に対して当然人々が抱くところの尊重の念に制限を加え,そのような性質を絶対的に善なるものと認めることを許さない.たとえば,感動や欲情の抑制,自制,冷静な考慮は,さまざまな点で善であるのみならず,人格の内的価値の一部を形成する様にさえみえる.しかしながら,これらの性質を無制限に善であると言うことはとても出来ないことである〔それらは古人の無条件の賛美を得たにせよ〕.というのは,善なる意志の原理を欠くならば,それらの性質はきわめて悪なるものとなりうるからであって,一人の悪者の冷静さは,彼が冷静でない場合よりも彼をはるかに危険なものたらしめるのみならず,また直接にわれわれの目にいっそう厭うべきものとうつるからである.
所謂西洋の刀剣の類いに比して日本刀を賛美する時,「折れず,曲がらず,よくキレる」ってのがある.何気にオレは刃物大好き男だったりするのだが,性格まで似ているのかもしれないとかエア思索した事があった.つまり,「(誰に叩かれようとも)折れず,(何を言われようとも)曲げず,(ちょっとしたことで)よくキレる」.

去年も仕事中に何度かプッツンするなど,なかなかエキサイティングしていた訳だが,性格はそう簡単には直らんわな,常日頃からちゃんとせねばならん.つー訳で,今年は頑張って逆刃刀で武装しようと思います. :DDD

修正:若干のtypos.