講談社学術文庫版 石本巳四雄 科学を志す人々へを読んだ.
「学術文庫版まえがき」には,
(中略)とある.
本書は亡父石本巳四雄が,科学者のあり方と科学研究の進め方について自己の考えをまとめたもので,昭和十四年に柁谷書院から『科学への道』と題して出版された.
(中略)
父は軍人の家系に育ったものとして厳格であったが,一方,大正期に青年時代を過ごしたためか,自由主義・合理主義的で,自発性を重んじ,また若い学生に接することが何よりも好きであった.
(中略)
なお,本書は地震の研究という一章を含んでいたが,現在の研究の進展から見て削除した.また当時の文章として漢字が多かったが,若い読者の便宜を考え新仮名遣いに直し,ルビを振るに留めた.その他,当時の風潮に伍した一,二の文章を改めたほかは,著者の意図を気持そのまま伝えるものとして,旧来の形で刊行に付した.
(中略)
昭和五十九年三月二十五日 石本 真
は? 文章を改変しておいて,著者の意図がそのままになるワケ無ぇだろ!!1
取り敢えず,全部読んでみたトコロ,具体的にドコを改変したのか目印が無い...
密林に柁谷書院版は無いので,図書館で探してもらったトコロ,県立図書館に昭和十九年十月廿日廿二版があるとの事だったので借りてみた.
で,表紙.
>文部省推薦<
更に,奥付.
>定價 一圓八十錢<
記述は文語体だが,「読める! 読めるぞ!!1 (CV: ムスカ」
で,全部読んでみたトコロ,再版時に削除された一ヶ所を見つけた.
但し,一々語を比較したワケでは無いので,他にもあったかもしれない.
>ムッソリーニ<
イイ感じに反動極右分子力が高まってきたトコロで,時事ネタを絡めて締めさせて頂きたいと思います.
此れは恰もオリンピック競技會に於て第一等を獲得するや否やの類似の如くである.世界的競技會に於て,日本人が第一人者となるもならざるも何ら影響なしと泰然たる人士も,實際競技場において競技會の第一等を日本人が克ち得たる時の感じは,全く日本に生まれたるを喜ぶ外はない.君ヶ代の吹奏とともに日の丸の高く蒼空に飜るを望む者,誰か感激無くして見送ることは出来やうか.或る人は競技を以て青少年の行なふ遊戯類似の行動と思ふかも知れぬが,それにしても,感激は筆紙に盡し難いものである.ましてや學問の争覇戰において勝を占めたる場合,全く心を動かさざるものがあるであらうか.
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