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2019/04/19

reorg(&mybookshelf); // #8

ガキの頃の話をしよう.雑木林と草っ原で遊んでいたガキの頃の話を.
  • 椎名誠 蚊學ノ書 夏目書房(1994/10/25) ISBN4-7952-5778-7
  • アンドリュー・ロウラー=著 熊井ひろ美=訳 ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥 インターシフト(2016/11/30) ISBN978-4-7726-9553-4
  • ペーター・ヴォールレーベン=著 長谷川圭=訳 樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声 早川書房(2017/05/25) ISBN978-4-15-209687-6
  • ペーター・ヴォールレーベン=著 本田雅也=訳 動物たちの内なる生活 森林管理官が聴いた野生の声 早川書房(2018/08/15) ISBN978-4-15-209789-7
良く蚊に刺された.と言うのも,自ら進んで雑木林に突撃してカブトムシとクワガタを死ぬほど捕まえていたからだが.カブトムシとクワガタ,マジで死ぬほど捕まえてたからな.どれ位捕まえていたかと言うと,熱中症になると言われて母親に無理矢理被らされていた帽子,ツバの部分を内側に折り込んでギョウザみたいな形にして虫籠代わりにしていたんだが,アレに詰め込み過ぎて帽子が破れる位.

蚊に刺されるのは,まぁ,痒くなる以外はなんでもなかったんだが,ハチはヤバイ.カブトムシは樹液が出ているトコに良く居るんだが,同じトコにスズメバチも居るのでBB弾で狙撃して仕留めてから捕まえたりしてたな.当然命中率はあまり良くないので,狙撃に失敗した場合は一目散に逃げ出したりしてた.今思えば,命知らず過ぎた様な気もする.あと,アレや,カナブン.飛んでる時の音がハチみたいで,目の届かない背後や頭上を飛ばれるとマジでビビる.反射なんだろうが,ビビると首を引っ込めてしまうので,首筋が何時も攣りそうになった.

時間帯の問題だろうケド,クワガタは樹液の出ているトコにはあまり居た記憶が無い.日が出ている間は梢と言うか,高い所に隠れている.或る程度大きな木は手の届く所に枝が生えていないので,あまり木登りには向いていない.つまり,登って捕まえに行く事は出来無い.どうやって捕まえるかと言うと,それっぽい木の近くに立って利き足の裏を幹に当てて,"ト"みたいな恰好で精神統一した後,徐に幹を蹴る.蹴った後,数秒は利き足を地面に戻してはならない.余計な音を発てない為だ.出来れば,呼吸も止める.巧く行くと,梢まで蹴った振動が伝わり,ワンテンポ遅れてノコギリクワガタとかが落ちて来る.振動にビックリして木に掴まって居られなくなるっぽい.地面に落ちると,ボタッと特徴的な音がするので,これで当たりを付けて回収する.周りが煩いと,この落下音を聞き逃してしまうので,静かな時間帯を選ぶと良い.早朝,ガキ向けのニチアサ番組が始まる前あたりが丁度良い."それっぽい木"と言ったが,高い所に隠れているヤツが見えている訳では無いので,ハズレを引くと,当然,何も落ちてこない.そう言う場合は,苦し紛れに木の根元を穿るとコクワガタとかが捕れる事がある.

ニワトリを飼っていた.確かチャボと烏骨鶏,それから何か良く分からん白くて赤い鶏冠の図体がデカいヤツ.ウサギとモルモットも飼っていたので,放課後や休みの日は犬の散歩がてら草っ原から奴らの餌を調達していた.生えてる草を適当にぶち抜いてビニル袋いっぱいに詰めて持って帰り,奴らを飼っている小屋の中に撒いておくと,翌日には跡形も無く消えていた.奴ら,日中はずっと草食ってたイメージがある.

草いきれと言う言葉がある.晩夏を表す季語らしいが,草っ原の実態は爽やかさからは程遠い.葛やセイタカアワダチソウ,ハルジオンならそれほど臭いはしないが,ヨウシュヤマゴボウやヘクソカズラなんかは結構酷い臭いがする.で,店先にあるのぼり,あの旗みたいなヤツ.アレの支柱の天辺に横向きに刺さっている棒,多分繊維強化プラスチックだと思うんだが,これが草っ原では最強の剣になる.折れず,良く撓る.バッサリやると面白い程良く斬れる.ドデカいヨウシュヤマゴボウとかも一刀両断.ただ,斬り甲斐のある背の高い草や蔓植物は奴らの餌には向かない.ハコベやナズナ,オオバコやエノコログサとかに人気があった記憶がある.

秋になると,田んぼで育ったヤゴが成虫のトンボになるので,コイツをしこたま捕まえてニワトリに食わせてた.まぁ,労力に見合う程の卵は産んでくれなかった気もするが.

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