O HAI THIS BLOG PURPZIEZ 2 B UZED AZ MAH PLESIOUS MEM. :)

2010/04/09

me += (PU(1.1, 1.133) + PU(1.243, 1.272));

論考を読む目的で買ったブツの後半に哲学探究の一部がおまけであったので,最近,Xilinx ISE 11.5 on RHELの_pnのUI freezeの面倒を見つつソイツを読むと言うエア激務をしていた.以下,おもろかった部分を引用.
三七
〔中略〕わたくしが「ブウブウブウ」というコトバによって「雨が降らなければ散歩に出かける」ということを意味することができるだろうか.––一つの言語のうちにあってのみ,わたくしは何かを何かによって意味しうる.このことは明らかに,「意味する」という語の文法が「思いうかべる」等の表現の文法とは似ていないこと示している.

五二
もしわたくしが,ねずみというものは灰色のぼろや塵埃から自然発生するのだと仮定しようとしているのであるならば,ねずみはどのようにしてそのぼろの中に隠れることができたのかとか,どうしてその中へ入れたのかとかいったことがらについて,そのぼろを十分に研究することが有益であろう.しかし,もしわたくしが,ねずみはそうしたものから発生するわけがないと確信しているのであれば,そうした研究はおそらく余計なものになるであろう.
しかし,哲学の中でそのような個々の事象に関する考察に反対しているものが何なのか,われわれはまず理解することを学ばなくてはならない.

六〇
いま「わたくしのほうきがその隅のところにある」といったとすると,––これは本当にほうきの把手と掃き出し部分に関する言明なのだろうか.ともかくも,人はこの言明を,把手の位置と掃き出し部分の位置について述べる言明で置き換える事ができよう.そして,そのような言明は,今や最初の言明を更に分析した形になっている.〔中略〕––誰かに向かって「ほうきを持ってきてくれ」という代わりに––「把手とそれが差し込んである掃き出し部分を持ってきてくれ」といった場合を考えてみよ.––これに対する答えは,「あなたはほうきが欲しいのか.それなら,なぜそんな奇妙な表現をするのか.」ということではないだろうか.〔中略〕

六九
〔中略〕
誰かがわたくしに向かって,「子供たちに何かゲームを教えてやってくれ」と言う.わたくしはかれらにサイコロ賭博を教える.すると,その人は「そんなゲームを教えてくれといった覚えはない」という.かれがわたくしに命令を与えたとき,サイコロゲームを除外することが,かれの念頭に浮かぶべきだったのだろうか.

八五
ある規則が立てられているとして,それが道しるべのようなモノであったとせよ.それはわたくしの行くべき道に関して何ら疑問の余地を残さないものであろうか.それは,わたくしがその側を通りすぎたとき,自分がどの方向へ行くべきか,つまり,街路にそってか,野道にそってか,それとも野道を横切って行くのかを指示するだろうか.だが,どのような向きでわたくしがそれにしたがわねばならないのかが,どこかに書いてあるのだろうか.その指の方向へということなのか,それとも(たとえば)その反対方向へということなのか.––それらにはたった一つの解釈しかないのだろうか.––だから,わたくしは,道しるべというものはそれでも疑問の余地を残さない,ということができる.あるいはむしろ,あるときは疑問の余地を残し,あるときには残さない,といえよう.すると,これはもはや哲学的な命題ではなくて,経験命題である.

八八
わたくしが誰かに向かって「どこかこの辺りに立っていろ」というとき,この説明は十分にその機能を果たしていないだろうか.果たしているとすれば,その他のあらゆる説明もうまくいかないだろうか.
「けれども,その説明はまだ不正確なのではないか.」––その通りである.なぜ人はそれを「不正確」と呼んではいけないのだろうか.われわれはただ「不正確」ということがどういうことを意味しているかを理解しよう.なぜなら,それは「使用不能」ということではないのだから.さらにわれわれは,かような説明との対比において,どのようなものを「正確な」説明と呼んでいるのか,とくと考えてみよう.たとえば,一つの区域をチョークの線で区切ることか.だが,そこですぐ思いつくことは,その線に幅があるということである.それゆえ,もっと正確なのは色の境界ということであろう.だが,そのとき,この正確さはなおも機能を果たしているだろうか.実は空回りしているのではないか.しかも,われわれは,どういうことをかかる正確な境界からの逸脱とみなしていいのか,どのようにして,いかなる器具をもって,それが確立さるべきなのか,等のことをいまだに決定していないのである.
〔中略〕
「不正確」ということは,もともと非難さるべきことであり,「正確」ということは称讃さるべきことである.さらに,このことは,不正確なものは正確なものほど完全にその目的を達成しない,ということである.だから,そこで何をわれわれが「目的」と呼ぶかが問題になる.わたくしが太陽までの距離を一メートルまで正確に述べず,家具師に机の幅を〇・〇〇一ミリまで正確にいってやらないと,不正確ということになるのか.
正確さの理想像など一つも用意されていない.それをどのように考えていいのか,われわれは知らない.––もし自分自身でそう呼ばれるべきものを確定していない限りは.しかし,そのような規定,自分自身を満足させるような規定にゆきあたるのは,むずかしいことであろう.

一〇七
〔中略〕––われわれはなめらかな氷の上にまよいこんでいる.そこには摩擦がないから,諸々の条件はある意味で理想的なのだが,まさにそのために,われわれは先に進むことができない.われわれは前に進むことを欲する.だから摩擦が必要なのだ.きめの粗い大地へ戻れ.

一二三
哲学の問題は,「わたくしは途方にくれている」という形をとる.

一二六
哲学は,まさにすべてのことに言及するのみ.何事も説明せず,何事も結論しない.––すべてが公然としているから,説明すべきこともない.なぜなら,隠れているかもしれないようなものに,われわれは興味をもたないからである.
およそ新しい発見や発明がなされる以前に可能なものをも,人は「哲学」と呼ぶことができよう.

二四九
なぜイヌは痛がっているふりをすることができないのか.誠実でありすぎるからか.イヌに痛がっているふりをすることを教えることはできるだろうか.おそらく特定の状況の下では,痛みを感じていないのに痛がっているようななき声を出すよう,教えることができるだろう.しかし,本当の偽装であるためには,この振舞いにはなお正当な周囲の条件が欠けている.

二五八
次のような場合を考えてみよう.わたくしはある種の感覚がくり返し起こることについて日記をつけたいと思っている.そのためにわたくしはその感覚を「E」という記号に結びつけ,自分がその感覚をもった日には必ずこの記号をカレンダーに書き込む.––まず第一に,わたくしは,この記号の定義を述べることができないことに気がつく.〔中略〕

二七〇
さて,自分の日記に「E」という記号を記入することの用途について考えてみよう.わたくしは次のような経験をする.すなわち,わたくしが一定の感覚をもつとき,血圧計がわたくしの血圧の上昇を示す.すると,わたくしは,器械の助けがなくても自分の血圧の上昇を明言することができるようになる.これは有益な結果である.そうすると,わたくしがその感覚を正しく再認したかどうかということは,もはや全くどちらでもよいことのようであるようにみえる.わたくしがたえずそれらの感覚の認定を間違えると仮定しても,一向に構わない.そして,このことは,こうした誤りを仮定することが単なる見せかけにすぎなかったことを既に示している.(われわれは,いわば,機械を動かすことができるかに見えるボタンをまわしたのだが,それは実は装飾品だったのであり,それと機械の機構は全然つながっていなかったのである.)
すると,この場合,どういう根拠によって,「E」がある感覚を指示しているというのか.おそらく,この記号が言語ゲームの中で用いられる方法によってであろう.––では,なぜ「一定の感覚」,つまり,そのたびに同じ感覚でなくてはならないのか.いや,われわれはそのたびに「E」と書く,と仮定しているのである.
哲学探究はヴィトゲンシュタインせんせーの後期思想と言われるモノらしいのだけれど,話題が日常に近いとかってのにも加えて,あいかわらず電波的と言うか,イイ感じにぶっ飛んでいるのでなかなか笑える. :DDD

個人的に付け加えておきたいのは,こーゆー思想の変遷を見て,単純に「じゃあ小難しく考える事ぁ無ぇじゃねぇかよ」と文句を言うのは見当違いだと思う.カントが人倫の形而上学の基礎づけでそーゆー輩を皮肉ってる言い回しはウマい.
通俗概念へのこのような下降は,純粋理性の原理への上昇がまず行われて申し分なく達成された後であれば,実際きわめて讃むべきことである.いいかえれば,道徳論をまず形而上学によって基礎づけ,かくて道徳論を確立した上で,それに通俗性を与えて人々に近づきやすくすることは,結構なことなのである.しかし,原則の正しさの一切がかかっている最初の研究においてすでに通俗性にすすんで心がけようとすることはきわめて不当である.ひとが根本的な知見をすべて断念するなら,誰にもわかるようにのべることは全く造作のなくできるのだから,はじめから通俗性を心がけるやり方は,真の哲学的通俗性というきわめてまれな長所をみずからのものだと主張することは決してできない.のみならず,そういうやり方は,寄せ集めの観察となまはんかな議論の原理との,厭なごた混ぜを生み出すのであり,これは確かに日常のおしゃべりには大いに役立つものを含むから,浅い考えの人々には喜ばれるが,物のわかった人々はそれに困惑し,不満ながらどうしてよいかわからずにそれから目をそむけてしまうのである.これにひきかえ,まやかしを十分見ぬいている哲学者たちは,見せかけの通俗性をしばらく離れてまずはっきりした知見を得た後にはじめて正しい意味で通俗的であることができるのだ,と人々に呼びかけるのだが,これに耳をかす者はほとんどいないのである.
とっても1337ishです,ウケる. :DDD

修正:若干のtypos.

2010/04/06

MeasureSLOC(&LMS); /* 2010/03 */

3月分のdiffstat.
bench/BENCH_CALCULATE_SNR_SINR.vhd |    4 
 bench/BENCH_LMS.vhd                | 2083 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 bench/BENCH_LMS_LX.vhd             | 1337 +++++++++++++++++++++++
 bench/BENCH_LVDS.vhd               |  385 +++++-
 bench/BENCH_S4LLR.vhd              |   67 +
 bench/BENCH_S5LDPCD.vhd            |   50 
 bench/LMS_LX1.vhd                  |  601 ++++++++++
 bench/LMS_LX2.vhd                  |  601 ++++++++++
 bench/LMS_LX3.vhd                  |  601 ++++++++++
 bench/METABENCH_LMS.vhd            |  125 ++
 bench/METABENCH_LMS_LX.vhd         |  167 ++
 vhdl/AANORM.vhd                    |  395 +++++++
 vhdl/ACB.vhd                       |   14 
 vhdl/ACN.vhd                       |   37 
 vhdl/ACW.vhd                       |   14 
 vhdl/AFIFO.vhd                     |   27 
 vhdl/COMMON_TYPE_PKG.vhd           |    8 
 vhdl/EXCHANGE_LX1_F4J2.vhd         |  263 ++++
 vhdl/EXCHANGE_LX2_F4J1.vhd         |  263 ++++
 vhdl/EXPORT_LVDS.vhd               |   12 
 vhdl/EXPORT_LX1_F3J2.vhd           |  134 +-
 vhdl/EXPORT_LX4_F3J1.vhd           |    6 
 vhdl/EXPORT_LX4_F4J1.vhd           |    6 
 vhdl/IMPORT_LVDS.vhd               |   58 -
 vhdl/IMPORT_LX1_F1J6.vhd           |   18 
 vhdl/IMPORT_LX1_F2J4.vhd           |   18 
 vhdl/IMPORT_LX2_F3J1.vhd           |  137 +-
 vhdl/ISQRT.vhd                     |  738 +++++++++++++
 vhdl/IWSRFA.vhd                    |  202 ++-
 vhdl/LDPCD.vhd                     |    8 
 vhdl/LMS_DCM.vhd                   |   17 
 vhdl/LMS_FORMER.vhd                |  629 ++++-------
 vhdl/LMS_LATTER.vhd                |  413 ++-----
 vhdl/LMS_LX1_FPGA1.vhd             |  204 ++-
 vhdl/LMS_LX1_FPGA2.vhd             |  298 ++++-
 vhdl/LMS_LX1_FPGA3.vhd             |  146 ++
 vhdl/LMS_LX1_FPGA4.vhd             |  264 ++--
 vhdl/LMS_LX2_FPGA1.vhd             |  643 +++++++++++
 vhdl/LMS_LX2_FPGA2.vhd             |  964 +++++++++++++++++
 vhdl/LMS_LX2_FPGA3.vhd             | 1002 +++++++++++++++++
 vhdl/LMS_LX2_FPGA4.vhd             | 1090 +++++++++++++++++++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA1.vhd             |  211 +++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA2.vhd             |  340 ++++++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA3.vhd             |  163 ++
 vhdl/LMS_LX3_FPGA4.vhd             |  136 ++
 vhdl/LMS_LX_FEBE.vhd               |   95 +
 vhdl/S4LLR.vhd                     |   62 -
 vhdl/S5LDPCD.vhd                   |   16 
 vhdl/SB_MASTER.vhd                 |   17 
 vhdl/SCB.vhd                       |   14 
 vhdl/SCN.vhd                       |   31 
 vhdl/SCW.vhd                       |   14 
 vhdl/SFIFO.vhd                     |   13 
 vhdl/WSX_LFSR.vhd                  |  412 +++++++
 54 files changed, 14272 insertions(+), 1301 deletions(-)
synthesizableなブツとしての大物としては,先々月分から追加した1ボード分のtop wrapperにあたるvhdl/LMS_LX2_FPGA{1,2,3,4}.vhdだな.合計で4kLOC以下に抑えられたみたい.つーか,相変わらず,テストベンチがデカ過ぎる. :DDD

ブツは4月に入ってからもチョコチョコ直してるのので,何気にもう少しかかりそうな臭い.つーか,別の人に作ってもらっている接続対象の前段と後段があるんだが,インターフェイスまわりのコードに限らず,スタイルがうんこで泣ける.よいこのみんな!インデントがハードタブだのソフトタブだのはこの際どうでもいいから,せめて行末の謎の空白とかタブだけの空行とかは消しとこうぜ!!1 :P

2010/04/01

if(!(!p) == p) { ... }

  ボブ「やぁ,ジョニー,聞いてくれよ.」
ジョニー「なんだい,ボブ?」
  ボブ「4/1は何の日か知ってるかい?」
ジョニー「ああ,もちろん!嘘祭り,エイプリルフールだね?」
  ボブ「そうそう.」
ジョニー「で,何かネタは仕込んだかい?」
  ボブ「ネタは思いついたんだけど,どうにもウマい展開が出来なくてさ.」
ジョニー「へぇ,どんなネタだい?」
  ボブ「ある意味,エイプリルフールなら嘘の一つくらいはつくのがマナーみたいなモンだろ?」
ジョニー「そうだねぇ.」
  ボブ「そこでさ,『今日,私は嘘をつきません』とか言うネタなんだ.」
ジョニー「ああ,なるほど.嘘つきのパラドクスってヤツだね.」
  ボブ「そうそう.でも,一発ネタで終わり,続かないんだよね.」
ジョニー「そうかい?かなり引っ張れるネタだと思うけど?」
  ボブ「え?そうかい?」
ジョニー「じゃあ,ボクが使ってイイかい?」
  ボブ「ああ,構わないよ」

ジョニー「さぁ,ボクの言う事を注意して聞くんだよ,ボブ.これからボクが言おうとしている事はとてつもない質問だから.」
  ボブ「任せてくれよ,ジョニー.そう簡単にボクは騙されないさ!」
ジョニー「ボクはたった今,何と言ったけ?」
  ボブ「キミはこう言ったよ!『これからボクが言おうとしている事はとてつもない質問だから.』」
ジョニー「じゃあ,キミはボクの言った事が分かったんだね?」
  ボブ「もちろんさ!キミの注意はボクに言った質問についてだね.」
ジョニー「で,ボクが注意したボクの質問は何だった?」
  ボブ「ん?キミの質問?…ああ,キミの質問はこうだったね.『ボクはたった今,何と言ったけ?』」
ジョニー「で,キミが今,反芻したボクの質問の意味が分かった?」
  ボブ「うん.だって,キミがハジメに訊いた時,ボクは正しく答えたじゃない.」
ジョニー「うん.キミはこれがとてつもない質問だったと思うかい?」
  ボブ「いーや.フツーじゃない?」
ジョニー「でもね,ボクの質問は意味が無くて理解出来ない質問だと顔を真っ赤にして怒るヒトタチも居たんだよ.」
  ボブ「何でそのヒトタチはキミの質問に意味が無いなんて怒るんだい?」
ジョニー「ボクの質問が間接的に自己言及しているからさ.」
  ボブ「キミの質問はついさっきキミが注意した事について言っているだけだよね?」
ジョニー「で,ボクの注意は何について言ったのかな?」
  ボブ「おおぅ.キミの注意はキミの質問について言っていて,キミの質問はキミの注意について言ったんだ!」
ジョニー「でも,キミはボクの注意も質問も分かったんだろう?」
  ボブ「そうさ!そんな簡単にボクは騙されないよ!」
ジョニー「つまりさ,間接的な自己言及は意味が有ったって事にならない?」
  ボブ「そうだね.」
ジョニー「これ,トンデモナイ事だと思わない?」
  ボブ「フツーでしょ?何でこんなネタで引っ張れるのか不思議だよ,ボクは.」
ジョニー「ボクを怒るヒトタチはね,『嘘つきのパラドクスはありえない.何故なら,有意味で適切に構成された言明は自己言及出来ないから』と言うんだ.」
  ボブ「嘘つきのパラドクスってさ,なんか騙された気がするからそんなの有り得ねぇと切り捨てるのは手っ取り早いね.」
ジョニー「だけど,間接的な自己言及を許したら嘘つきのパラドクスは始末出来ないよ?」
  ボブ「え?ちょっとやってみてくれないかい?」
ジョニー「ボクがしようとしている次の主張は真である.」
  ボブ「ジョニー,キミはいつも本当の事を言っているじゃないか.」
ジョニー「ボクの先の主張は真ではない.」
  ボブ「おおぅ,前言撤回かい?誰にでも間違いはあるよね,ボクは優しいから許してあげるさ.…あれ?」
ジョニー「間接的な自己言及による嘘つきのパラドクスの出来上がりだね.」

  ボブ「…ジョニー,ボクはイイコトを思いついたよ.」
ジョニー「なんだい?」
  ボブ「パラドクスの引き金になる自己言及ってさ,フツーにありふれたモノだし,言われて頭がパンクするほど悩む事でもないよね?」
ジョニー「おやおや,降参かい?」
  ボブ「いやいや,メンドイからってポ〜イした訳じゃないよ.」
ジョニー「どう言う事だい?」
  ボブ「つまりさ,本当と嘘,それと本当か嘘か判断しようのないコトがあるんじゃないかって.」
ジョニー「有意味と無意味.有意味な方は真か偽のどちらかで,無意味な方はどちらか分からないって事かい?」
  ボブ「そうそう.コレで逝けるんじゃないかな?」
ジョニー「ボブ,残念ながらそれでもダメでござるよ.」
  ボブ「おいおい,ジョニー,いきなりそいつぁいただけないな.説明してくれたまへ.」
ジョニー「この三つの分類だとね,パラドクスの場所が移動するだけでパラドクスそのものは始末出来ないよ.」
  ボブ「ほうほう,続けてくれたまへ.」
ジョニー「uが『uは偽である』と言う言明そのものの名称であるとした場合はいつ何時でも『uは偽である』と言う言明は無意味だ,と誰かさんが証明したとしよう.」
  ボブ「つまり,嘘つきのパラドクス自体はその天才の誰かさんが無意味だと証明してくれたモノとする訳だね?」
ジョニー「そうそう.でもね,この仮定に従ってキミの提案を受け入れると,uには意味があると反論出来るのさ.」
  ボブ「え?ヒントをくれない?」

「『xは無意味である』が真」ならば「『xは真である』は偽」…(1)
「『xは無意味である』が真」ならば「『xは偽である』は偽」…(2)
「yが偽」ならば「yは有意味」…(3)
「『uは無意味である』が真」ならば「『uは偽である』は偽」…(4)
「『uは偽である』が偽」ならば「『uは偽である』は有意味」…(5)
「『uは偽である』は有意味」ならば「uは有意味」…(6)

ジョニー「ボブ,この思考は追っていけるかい?」
  ボブ「やってみるよ!」
ジョニー「では,がむばってくれたまへ.」
  ボブ「(1)に現れるxは何かテキトーなトンチンカン発言だと考えればいいね.」
ジョニー「そうそう.」
  ボブ「無意味って言う分類はもともとボクが言い出したカテゴリーだから,こう言うxが存在しないって事は無い.」
ジョニー「うんうん.」
  ボブ「xはトンチンカン発言だから,xは本当のコトと言うのは嘘.これが(1).」
ジョニー「じゃあ,(2)は?」
  ボブ「(1)と殆どおなじさ.xはトンチンカン発言だから,xが嘘と言うのは嘘.」
ジョニー「お次は(3)だよ!」
  ボブ「コイツは簡単だ.yは何かテキトーな嘘っぱち発言だと考えればいいね.」
ジョニー「そうそう.」
  ボブ「yは嘘っぱちだと判明しているので,yには意味がある.これが(3).」
ジョニー「(4)の"ならば"の前にあるのは,天才の誰かさんが証明しくれたから本当のコトだと考えると言う意味だよ!」
  ボブ「ACK.で,それにも関わらずそれが嘘っぱちだと噛み付いた愚か者の発言こそ嘘っぱちだったと言う訳だね.そう言えば,これは(2)と同じ形だね.」
ジョニー「そうそう.」
  ボブ「(5)は(3)と同じ形をしているね?」
ジョニー「うん.(5)の"ならば"の後ろは(6)の"ならば"の前と同じだよ!」
  ボブ「ふむふむ.そんでもって『uは偽である』はuそのものだったから(6)の"ならば"の後ろが…ありゃ?」
ジョニー「で,uってそもそも何だったけ?」
  ボブ「uは自分自身を否定する自己言及でございました.」
ジョニー「uは意味があるんだって結論だね.」
  ボブ「なんてこった!嘘つき野郎をテメェは無意味だと渾身のドロップキックをかましたのに!」
ジョニー「リングのロープで跳ね返って来て奴のフライングエルボーを喰らったね.」

  ボブ「で,ジョニー.結局,コレはなんとかならないの?」
ジョニー「とっても簡単な方法があるよ.」
  ボブ「へぇ,どうすればいいんだい?」
ジョニー「さっき,キミが言った様にフツーにしてればいいのさ.」
  ボブ「へ?」
ジョニー「つまりさ,こう言う類いのパラドクスにハマらない様に気をつけて,それ以上はウジウジ悩まないってコト.」
  ボブ「そんなんでいいの?」
ジョニー「フツーの言語をフツーの目的に使うなら十分だし,安全だよ.」
  ボブ「むしろ不安になるよ.」
ジョニー「少なくとも,フツーなボクらはこれ以外のコトは何も出来ないさ.」
  ボブ「まぁ,そうか.最初にキミがボクを試した様に自己言及やら嘘つきのパラドクスやらは簡単に作れるしね.」
ジョニー「そして,キミもボクもそーゆー言明でも分かった様に振る舞えるからね.」
  ボブ「でもさ,こーゆーフツーの態度こそあるべき姿って気はするよ.」
ジョニー「結局さ.気が狂った様に嘘か真か問い詰めるのも,都合の悪いモノを無意味だと切り捨てるのもあんまりイイ傾向じゃないよね?」
  ボブ「だからって,何もかも本当か嘘か分からないまま放置プレイするのもあんまりイイ傾向じゃないよね?」
ジョニー「でさ,オタクってさ,この二つの傾向がフツーの人と逆なんじゃないかと思うんだけど,どう思う?」
  ボブ「ソイツはノーコメントとさせて頂くよ!」